第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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1-14 成人先天性心疾患

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成人先天性心疾患:フォンタン手術

Fri. Jul 17, 2015 1:50 PM - 2:20 PM ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:上野 倫彦 (日鋼記念病院)

II-P-112~II-P-116

[II-P-112] 重症肺動脈狭窄に対し中年期にone and one-half修復術を施行し高年期に到達した1例

桜井 研三, 都築 慶光, 長田 洋資, 中野 茉莉恵, 升森 智香子, 水野 将徳, 有馬 正貴, 後藤 建次郎, 麻生 健太郎 (聖マリアンナ医科大学 小児科)

Keywords:one and one-half修復術, 重症肺動脈狭窄症, 成人先天性心疾患

【背景】右室機能低下を認める症例に対し、右室容量負荷を軽減し右室機能の温存を図ることは重要な治療戦略の一つである。今回64歳時にone and one-half修復術を施行し71歳時に術後右心機能評価を行った症例を報告する。【症例】71歳、女性。現病歴:出生時に他院にて重症肺動脈狭窄症(PS)と診断され外来経過観察されていた。53歳でPS解除術施行。64歳時にPSの進行に伴う三尖弁閉鎖不全症が出現し前医でPA形成術、TVPおよびone and one-half修復術が施行された。術後はNYHA 2-3で経過していたが68歳時に前医通院困難のため当院紹介受診となった。71歳時にone and one-half修復術術後の循環動態評価のため検査入院となった。入院時身体所見:頭頚部や上肢の浮腫なし。肝臓は3横指触知。下腿浮腫あり。心エコー検査:FAC 38.8%と右心機能は維持していたが、mild PS、 moderate TRがあり右心容量負荷所見を認めた。心臓カテーテル検 pressure study(mmHg) IVC m11、MPA 24/6 m13、RPA 18/12 m15、LPA 27/7 m16、SVC m16、RVP 64/e9、aAO 104/53 m76、LVP 120/e7 angiography RVG moderate TRと著明な右室、右房拡大あり。PAG 左右PAの分岐に狭窄あり。SVCG RPAのみ良好に造影され、静脈還流も良好。one and one-half術後の右心バイパスは良好な循環を維持していたが、PS、TRに伴う右心容量負荷は著明であった。現在NYHA 2で病状の進行なく経過している。【考察】one and one-half修復術は右室低形成症例やEbstein奇形等に対する治療戦略のひとつであり、その有効性や長期予後に関しては未だ議論を要する。今回の症例は原疾患にともなう右心容量負荷は残存していたが、右心バイパスは良好な循環を維持していた。高年期の姑息手術としてone and one-half修復術は有効な治療戦略となる可能性がある。