[II-P-114] 成人後にFontan手術適応となった2症例
キーワード:Fontan, 手術適応, 成人
近年、Fontan手術は1~2歳で到達するように治療計画を立てるのが一般的である。われわれは、成人後に初めてFontan手術適応となった2症例を経験したので報告する。【症例1】26歳女性。診断はSRV,polysplenia。1ヶ月時にrt.BTS,3歳時にlt.BTS 施行。9歳時の心臓カテーテル検査でFontan手術の適応なしと判断され、夜間のみHOT導入していた(SpO2 70台)。26歳時に、Rp 1.0 でFontan手術適応と判断され、bil.BCPS 施行。3ヶ月後にTCPC施行し、経過は順調であった。【症例2】29歳男性。診断は,DORV,PS,TGA,SRV,TAPVR。2歳、6歳、7歳,20歳時の心臓カテーテル検査でFontan手術適応なしと判断された。(PAP 45/27(45),Qp/Qs 2.8)。SpO2 90前後。29歳時の心臓カテーテル検査で、Qp/Qs 5.3,Rp 2.7,LA-common chamber(C.C) 間圧較差 7mmHgのため、PAB 適応と判断された。PAB施行後、Qp/Qs 1.5,PAP 21/6(13)mmHgでグレン手術の適応となった。LA-C.C間の狭窄解除とグレン手術を施行し、経過は順調であった。HOT下でSpO2 86%となった。グレン術後の心臓カテーテル検査で、Qp/Qs 1.5,Rp 1.1でTCPC適応と判断され、手術待機中である。【考察および結語】小児期にFontan手術不適応となった症例の中には、成人後に適応となる症例が少数ではあるが存在する。一旦不適応と判断されても、定期的な診察と心臓カテーテル検査を含めた正確な評価が重要であると考えられた。