第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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1-18 川崎病・冠動脈・血管

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川崎病・冠動脈・血管⑤

Fri. Jul 17, 2015 1:50 PM - 2:26 PM ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:佐野 哲也 (さのこどもクリニック)

II-P-142~II-P-147

[II-P-144] 小林スコアからみた川崎病再発例の重症度の検討

水野 風音, 高橋 努, 井原 正博 (済生会宇都宮病院 小児科)

Keywords:川崎病, 再発, RAISE study

【背景】一般に再発例ほど重症化しやすいと考えられている。その根拠は疫学調査により、(1)心後遺症が初発例で12.7%であるのに対し再発例で21.8%と約2倍であること、(2)致命率が初発例で0.3%であるのに対し再発例で0.9%と約3倍であることである。小林スコア5点以上の不応予測例に対するIVIG+PSL初期併用療法の冠動脈病変抑制効果が示されているが、再発例と初発例の比較検討はされていない。【目的】初発例と再発例において小林スコア、IVIG+PSL初期併用療法の反応性等から重症度を比較検討する。【対象】当科に2012.6.1~2014.12.31まで入院した川崎病患者154名。【方法】IVIG+PSL初期併用療法はRAISE studyに準じた。【結果】初発例は143名、再発例は11名(7.1%)だった。小林スコア5点以上は初発例中35名(24.5%)、再発例中4名(36.4%)で、有意差はないが、(p=0.25)再発例で5点以上の割合が多かった。不応例は、初発例では小林スコア5点以上で7名(20%)、4点以下で14名(13%)であったのに対し、再発例では小林スコア5点以上で1名(25%)、4点以下で2名(28.6%)であった。有意差はない(p=0.16)が初発例に比し再発例で不応の割合が高く、さらに再発例の中でも小林スコア4点以下の方が5点以上よりも不応例の割合が高かった。冠動脈病変は初発例で6名(4.2%;一過性拡大3名、瘤2名、巨大瘤1名)に対し、再発例では認めなかった。再発例の小林スコアの採択項目の内訳は、血清Na値2名、AST値3名、治療開始病日2名、好中球%4名、CRP4名、血小板5名、月齢0名だった。【まとめ】再発例の方が初発例よりも、小林スコア5点以上および不応例の割合が高く、より重症といえるかもしれないが、症例数が少ないためか冠動脈病変は認めず、さらなる検討が必要である。再発例の性質上、小林スコアの採択項目のうち、月齢と病日が取れる患者が少なく、不応予測例を過少評価する可能性もあり、再発例に特化したリスク層別化が必要である。