第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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ポスター

2-01 外科治療

ポスター
乳び胸・胸郭変形

Fri. Jul 17, 2015 2:20 PM - 2:50 PM ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:加賀 重亜喜 (山梨大学)

II-P-158~II-P-162

[II-P-158] 小児心臓手術の際に気道狭窄を伴う漏斗胸に対してSuper Fixsorb MX40を用いた胸骨形成術を行った1例

浅見 雄司1, 宮本 隆司2, 内藤 祐次2, 田中 佑貴2, 吉竹 修一2, 池田 健太郎1, 石井 陽一郎1, 中島 公子1, 田中 健佑1, 小林 富男1 (1.群馬県立小児医療センター 循環器内科, 2.群馬県立小児医療センター 心臓血管外科)

Keywords:漏斗胸, 先天性心疾患, 気道狭窄

【背景】小児心臓外科領域では漏斗胸を合併した先天性心疾患と遭遇することが時々ある. 重度の漏斗胸では気道狭窄, 心臓の圧迫などが原因で術前, 術後管理に難渋することがある. しかし, 学童期以前の漏斗胸手術は使用デバイスの制限があり困難である.【目的】術前に気道狭窄を認めた重度の漏斗胸を合併した先天性心疾患の乳児に対して, 先天性心疾患根治術の際に, 気道狭窄解除, 心臓の圧迫解除を目的としてメッシュタイプのSuper Fixsorb MX 40(Takiron Co., LTD., Osaka, Japan)を使用した胸骨形成術を行った.【症例】2.0kgで出生した心室中隔欠損症, 食道閉鎖症A型の男児. 新生児期に食道閉鎖症根治術を施行し, 徐々に高肺血流の所見を認めたために出生3ヶ月で肺動脈絞扼術を施行した. 陥没呼吸の所見が強く, 2次性の漏斗胸が徐々に進行した. 生後12ヶ月, 5.2kgで心室中隔欠損閉鎖術を予定したが, 術前のCTにて圧迫性の気道狭窄, 胸骨による心臓圧迫を認めていたため漏斗胸に対する胸骨形成術を予定した. 心室中隔欠損閉鎖終了後, 閉胸時に50×50mmのメッシュタイプのSuper Fixsorbを半分のサイズに切り分け, 胸骨の上下にそれぞれ挿入し, CV0で胸骨と固定した. 術後経過は合併症なく良好であった. 術後のCTでは気道狭窄, 心臓の圧迫は解除されており, 術前に認めていた陥没呼吸も改善を認めた.【考察】体格に対するデバイスのサイズの問題により学童期前の漏斗胸根治術はあまり行われていない. 今回使用したメッシュタイプのSuper Fixsorb MX 40は薄い形状のため低体重の症例でも使用可能であり手技も極めて簡単であった. また, 骨形成を促す組織吸収性素材のため骨形成を促進しながら数年で吸収されるといわれている. 骨と同等の強度があり, 破損などの合併症なく安全に使用できると考えられた.【結語】Super Fixsorb MX40を用いた胸骨形成術は簡便かつ有効な方法であった.