第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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2-03 外科治療遠隔成績

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治療戦略

2015年7月17日(金) 13:50 〜 14:14 ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:北川 哲也 (徳島大学大学院)

II-P-163~II-P-166

[II-P-165] 右室心尖部切開による心尖部multiple VSD閉鎖

中田 朋宏1, 池田 義1, 馬場 志郎2, 豊田 直樹2, 田口 周馬2, 坂田 隆造1 (1.京都大学附属病院 心臓血管外科, 2.京都大学附属病院 小児科)

キーワード:筋性部心室中隔欠損, swiss cheese, 右室切開

【背景、目的】筋性部VSDの中でも心尖部のmultiple VSD(いわゆるswiss cheese型)の閉鎖は困難である。sandwich法は簡便ではあるが、VSDの辺縁を確認しての閉鎖ではなく、左室内にパッチが当たり、術後心機能に懸念が残るため、我々は右室心尖部切開approachを行っている。【対象】2004年以降の連続5症例、根治時年齢2.0±1.1歳、BW8.9±1.3kg。全例でPABを先行させた。また経T弁または経P弁的に閉鎖可能であった筋性部VSDは除外した。【術式】右室心尖部のacute marginに平行に切開を加え、乳頭筋及びtrabecular septomarginalisを確認し、心尖部中隔の肉柱を流入部、流出路中隔とほぼ同一平面になるように切除すると、「これより外側にVSDはない」という境界が明瞭となるので、その周囲にpledget付polypropylene糸をかけてパッチ閉鎖する(interruptでの閉鎖)。心尖部側は心外膜面から貫壁性に運針し、パッチ逢着前に、パッチが右室側に凸にならないよう、パッチの中央にanchor stitchを置く。心尖部以外にもVSDが存在する場合は、その型及びサイズに応じて、パッチ閉鎖または直接閉鎖を行い、右室切開は直接閉鎖した。【結果】全例術中TEEにて有意な遺残短絡認めず、術後経過も良好であった。心尖部以外のVSD閉鎖を要したのは2例で、1例は傍膜様部1(パッチ閉鎖)+筋性部1(直接閉鎖)、1例は筋性部4(直接閉鎖)を追加で閉鎖した。人工心肺時間は211±43分、Ao遮断時間は143±36分であった。術後心エコーでは、両心機能は良好で、全例でpatchを当てた心尖部のVSDの遺残shuntは無または微量であったが、1例で流出路にmuscular VSDの遺残を認めた。3例で術後カテが施行され、心機能良好(LVEDV 91.6±19.7% of N、LVEF 71.1±3.3%、RVEDV 103.1±5.4% of N、RVEF 58.3±8.2%、CVP 4.3±1.2)であった。【結論、考察】右室心尖部切開によるmultiple VSD閉鎖法は、VSD遺残を防ぐ確実な術式であり、術後の心機能も問題なかった。