[II-S10-02] 食道にSOUNDSTARの挿入を行いアブレーションを施行した症例の検討
Keywords:不整脈, アブレーション, CARTOSOUND
【背景】CARTOSOUNDシステムは3Dマッピング技術と超音波の画像技術が融合されたアブレーションシステムである。しかし磁場センサと超音波端子をもつカテーテルであるSOUNDSTARを血管内に挿入するためには最低10Fシースが必要であり、小児領域では使用しにくい。そのため当院では小児例を中心に血管内ではなく食道にSOUNDSTARを挿入しアブレーションを施行することがある。【目的】食道にSOUNDSTARを留置しアブレーションを施行し有用であった症例の検討。【方法】2012年4月から2015年1月までに食道にSOUNDSTARを留置してアブレーションを施行した16症例を対象とした。全症例、全身麻酔下で施行した。年齢、体重、ターゲットとした不整脈の種類、先天性心疾患の有無、有用性につき検討をおこなった。【結果】対象の年齢は中央値5.8(1.1-37)歳、17.6(8-61.2)kg、ターゲットとした不整脈は心房内回帰性頻拍6例(うち心房粗動5例)、心室期外収縮(PVC)/非持続性心室頻拍5例、WPW症候群2例、異所性心房頻拍2例、房室結節回帰性頻拍(AVNRT)1例であった。先天性心疾患合併例は11例であった。心房粗動での解剖学的峡部とカテーテルの位置関係の把握、WPW症候群やPVCでの三尖弁や肺動脈弁とカテーテルの位置関係の把握が可能であり有用と考えられた症例は計9症例(心房粗動5例、PVC2例、WPW症候群1例、AVNRT1例)認めた。【考察】SOUNDSTARの食道挿入により、体格の小さい小児例においてもアブレーションカテーテルと心内構造物との詳細な位置関係がリアルタイムに知ることができる長所があるが、血管内とは異なりエコー画像が矢状断のみに制限される欠点があり有用な画像が描出できない症例も認める。矢状断でも描出できる解剖学的峡部に対するアブレーションやEbstein奇形のように弁輪の位置が通常と異なる先天性心疾患症例で弁輪とカテーテルの位置関係を把握する場合には有用であると思われた。