[II-S11-01] 128-slice Dual-Source CTを用いた超低被ばく心臓CT
キーワード:DSCT, DECT, Radiation
2011年に128-slice Dual-Source CTが導入され、低被ばく造影CTについてこれまで報告してきた。2012年1月~2014年12月末までに、冠動脈CTを除く心臓CTをのべ200回行った。当院における心臓CTの撮影方法や放射線被ばく線量、カテーテル治療に対する役割、評価成績について報告する。テストインジェクション法より、各心室心房に造影剤が到達するタイミングを計測し、この情報より、症例毎に最適な撮影タイミング、造影剤投与方法を設定する。Prospective ECG-triggered法を用いて、症例毎に1心拍ヘリカル撮影法または非ヘリカル撮影法を選択し撮影している。1心拍ヘリカル撮影法は被ばくを最大限に抑えることが可能である。冠動脈以外の血管構造や心腔内病変の評価には脈拍数、不整脈に関係なく1心拍ヘリカル撮影法を使用し、放射線被ばく線量は1mSv以下に抑える事が可能である。非ヘリカル撮影法は数心拍の撮影が必要となるため、被ばく線量は増加するが、同時に冠動脈の評価が必要で心拍数が早い症例や不整脈症例、また病変を拡張期と収縮期の両方の時相で評価をしたい症例に使用している。Dual-Energy CTを用いる事で、肺動脈血流の分布を評価することも可能であった。カテーテル治療の前後にVR像、MPR像を用いて病変を評価している。血管病変の評価についての心臓CTの信頼性は高いが、撮影タイミングを調節する事で心内構造の評価も可能である。コンピュータシミュレーションによりASO仮想留置像も作成出来る。ASO、ADO、ステント等のデバイス選択に有用で、さらにはデバイス留置後の周囲構造物との関係を把握することも可能である。心臓CTは放射線被ばくを伴う検査であるが、カテーテル治療に有用な検査と考えられる。症例毎に適切な撮影方法を選択し、無駄な被ばくの低減に努めるべきである。