[II-S14-02] 成人循環器内科施設における経皮的心房中隔欠損閉鎖術の治療成績
【背景】経皮的心房中隔欠損(ASD)閉鎖術は2005年に日本Pediatric Interventional Cardiology学会(JPIC)により導入され、2010年より日本心血管インターベンション治療学会施設(CVIT)による治療が開始された。【目的】2010年から2014年までにおけるCVIT施設におけるASD患者の特徴と経皮的閉鎖術成績を明らかにすること。【方法】2010 年6月から 2014年9月までの AMPLATZER Septal Occluder (St. Jude Medical, Inc.) を用いた経皮的ASD閉鎖術についてCVIT25施設にデータ登録を依頼。そのレジストリーデータ基づき、患者背景、成功率、合併症、遠隔期イベントの有無につき検討した。【成績】合計25施設から995症例が登録され女性は63.8%であった。平均年齢54±20歳で20歳未満の患者は7.3%のみであった。治療適応は76%が右心系容量負荷で17.5%が心不全症状、奇異性塞栓症が5.6%であった。患者背景には生活習慣病から悪性腫瘍まで多種多様な併存疾患を含んでいた。使用したデバイスサイズは平均19±6mmで平均肺体血流比2.2であった。手技成功は97.8%であったが不成功症例の中には解剖学的に留置不可能であった症例と周術期合併症によるものが認められた。術中術後合併症としてデバイス脱落7例0.7%、心タンポナーデ5例0.5%、心侵食は慢性期と併せ合計2例0.2%であった。遠隔期では死亡例3例(肺炎)を認めた。【結論】CVIT施設における経皮的ASD閉鎖術数は安定した成績を収めているが、緊急性の高い合併症を生じる可能性もあるため、心臓外科との協力体制が必要である。安定した治療成績と合併症防止のため施設・術者認定制度の継承と教育システムが必要と思われる。