[II-TRO-01] 胎児コンシェルジュシステムを導入して得られた効果~医療者側の視点から~
キーワード:胎児心エコー, 胎児コンシェルジュ, 看護師
【背景】今日、患者満足度向上の為に、医療コンシェルジュの導入を推進する病院が増えている。その役割は多岐に渡り、現在では、より専門性を持ったコンシェルジュの導入も増えている。当院の新生児心臓治療室(以下NICCUとする)では、胎児が先天性心疾患と診断された妊婦に対し、胎児心エコーに立ち会い、妊婦や家族に必要なケアを行ってきた。それを行う看護師を胎児コンシェルジュと称し、このシステムを胎児コンシェルジュシステムと名付けた。胎児コンシェルジュは、経験年数や重症患者の受け持ち経験の有無などを考慮し、より緻密なケアのできる看護師が行っている。以前の研究で、このシステムの対象となった家族からは、不安の軽減などの効果が得られたことを知ることができた。今回、胎児コンシェルジュシステムの医療者側への効果を検証したいと考えた。【目的】胎児コンシェルジュシステムの医療者側へ及ぼす効果を知る。【方法】胎児エコーを行う医師3名へ聞き取り調査及び胎児コンシェルジュ8名へ質問紙調査を行った。【結果・考察】医師および胎児コンシェルジュ全員が、予め情報をスタッフ全員で共有でき、看護がスムーズに導入できたと回答した。更に、病態説明後に家族の理解度や反応を把握することで、その後の説明方法を工夫できるという意見もあった。胎児コンシェルジュシステムは、妊婦や家族に対し、より親切な対応と医療者間の連携を円滑にする効果が得られたと考える。また、多くの胎児コンシェルジュが、家族の心のケアや疾患について更なる学習の必要性を感じたと回答した。胎児コンシェルジュの役割をすることで、強い責任感を持つことができ、学習意欲やモチベーションの向上に繋がっているのではないかと考える。