第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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一般口演(多領域専門職部門)

一般口演(多領域専門職部門)2
移行支援・家族支援

Fri. Jul 17, 2015 3:25 PM - 4:10 PM 第7会場 (1F シリウス)

座長:落合 亮太 (横浜市立大学)

II-TRO-06~II-TRO-10

[II-TRO-06] 左心低形成症候群の子どもが離島に帰るための退院支援の一例

林 真美, 小出 沙由紀, 横田 紅, 八十岡 愛美, 宮岡 真奈美 (愛媛大学医学部附属病院小児総合医療センター)

Keywords:先天性心疾患, 離島, 退院支援

【背景】今回、先天性心疾患の術後の児を抱え、医療体制の整っていない離島で生活をしていく家族への支援を行った。その中で、急変時の対応や搬送方法の確立など離島に特化した退院支援を行う必要があった。【目的】離島へ帰るための家族への関わり、病院と地域の連携について多職種間で調整し、効果的であった点を明らかにする。【倫理的配慮】研究の目的及びその内容、匿名性の保持、参加の自由意思の保証、医療への影響がないことを両親に説明し承諾を得た。所属施設のENCCキャリア教育委員会に承認を得た。【退院支援の実際】両親への退院指導として、島内で購入できない育児用品を準備して帰ること、栄養士による離乳食の指導、薬剤師による服薬指導、在宅酸素業者による酸素使用方法の説明を行った。また、急変時の対応として、救急蘇生法のパンフレットを作成して両親へ説明し、医師と共に実技指導を実施した。さらに、急変時の連絡先の表を作成し、自宅で掲示するよう説明した。地域連携に関しては、保健所へ児の状態や母親への指導内容、救急搬送についての情報を提供した。また、児の状態が急変した場合の搬送経路、受け入れについて、退院調整看護師と連携をとり、管轄の消防署および救急搬送先の病院に情報提供をした。【考察】島での生活を視野に入れた退院指導を行うことにより、両親が自宅での療養生活をイメージするきっかけになったと考える。また、急変時に両親による対応が重要であると両親が理解できた。地域との連携により、児および両親が、地域で支援を受ける体制と急変時に医療を受ける体制が整った。そのことで、家族が安心して生活を送るための環境を整えることができたと考える。【まとめ】離島へ患者が退院するために、医療者が地域を知り、地域が患者を知ることができるような支援や連携が必要である。