第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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一般口演(多領域専門職部門)

一般口演(多領域専門職部門)2
移行支援・家族支援

Fri. Jul 17, 2015 3:25 PM - 4:10 PM 第7会場 (1F シリウス)

座長:落合 亮太 (横浜市立大学)

II-TRO-06~II-TRO-10

[II-TRO-07] PAH患者が成長過程において体験する問題の現状と支援の検討

藤田 拓矢, 長 順子, 見澤 佳泉, 森田 典子 (東邦大学医療センター大森病院)

Keywords:キャリーオーバー, 他職種との連携, 在宅支援

【目的】キャリーオーバーした PAH(Pulmonary Arterial Hypertension)患者が成長過程において体験した悩みや不安を調査し、今後の患者ケアの示唆を得ることを目的とした。【方法】調査期間は2014年8~11月。20~30歳未満の病状が安定しているPAH患者を対象とし半構成的面接を行った。成長過程に体験した不安や悩みについて表現している内容に焦点をあてコード化し、データを比較しながら抽象度を高め、サブカテゴリー、カテゴリーを生成した。【倫理的配慮】本研究はA大学病院倫理審査委員会の承認を得て実施した。対象者には研究の趣旨とプライバシー保護、研究参加・不参加に関わらず不利益が生じないことを説明し同意を得た。また、研究結果は本研究以外では使用せず、個人が特定されないよう配慮して学会等で発表することを説明した。【結果】対象者は男性8名、女性1名、平均年齢は23.7歳、発症年齢平均は11.9歳。分析の結果、8カテゴリー、33サブカテゴリーが抽出された。カテゴリーは、[普通の人と変わらない生活をする] [教諭の配慮で助かった][友達との交流と支え] [調整して学校生活や社会生活を送る] [周囲に理解してもらいたいが気遣いが気になる] [生活を制限されて嫌だった][成長や治療に合わせて説明を受けたい] [将来への希望と不安]だった。【考察】PAH患者は、普通の人と変わらない生活をしたいという思いを持ち、学校生活においては[教諭の配慮で助かった][友達との交流と支え]のように、サポートの中心は教諭や友達であった。小児に関わる看護師は、PAH患者が安心して学校生活を送れるよう支える役割があることが明らかになった。今後は、病棟看護師・外来看護師・教諭・患者・両親を交えたカンファレンスの実施や、申し送り書による報告、相談の機会を設けるなど連携システムの構築が望まれる。