第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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一般口演(多領域専門職部門)

一般口演(多領域専門職部門)2
移行支援・家族支援

Fri. Jul 17, 2015 3:25 PM - 4:10 PM 第7会場 (1F シリウス)

座長:落合 亮太 (横浜市立大学)

II-TRO-06~II-TRO-10

[II-TRO-09] グリーフケアの現状と今後の課題
―遺族アンケートを行って―

唯間 美帆, 宗美 琴絵 (医療法人あかね会土谷総合病院 NICU)

Keywords:グリーフケア, 家族看護, 看取り

【目的】
NICUでの死別は、思い出の少なさや、関わった人が限られており特殊である。小児循環器においては経過の予測が困難なこともあり、終末期のケアが難しく、十分に検討されていないのが現状である。今回、子どもを亡くした家族にアンケートを実施し、家族の気持ちに沿ったケアや看取りケア支援ができていたのかを振り返った。
【方法】
2009年3月~2014年3月に当院NICUで子どもを亡くした家族にアンケートを実施。単純集計とともに、自由記述は、記述内容から類似した内容ごとにカデゴリーを抽出した。本研究の参加は自由であり、プライバシーに配慮し個人が特定されない様にすることを文書で説明し、投函を持って同意を得た。
【結果】
アンケートは7名から回収。1.亡くなる前家族で時間を過ごせる環境への配慮:できていた5名、「時間がなかった」1名、「個室で過ごしたかった」1名、2.亡くなった後家族で過ごす環境への配慮:できていた7名、3.入院中スタッフに希望や意見を述べ気持ちを聞いてもらう機会:あった6名、時々あった1名、4.家族の希望は言えたか:言えた6名、聞かれたがいいづらかった1名。自由記述は【感謝】【要望】【後悔】の3つにカデゴリー化できた。
【考察・結論】
スタッフは家族に寄り添い、希望や気持ちを表出する機会を作ることができているが、課題として、表出された家族の希望を共有し、家族アセスメントを行い、多くの思い出作りができるようサポートしていく必要があると考える。また入院中の面会ノートが、大切な思い出の品や、生きた証として残り、家族の癒しへ繋がっていることを再認識することができた。終末期を家族と共にどのように過ごし最期を迎えるかは、家族の悲嘆過程にも大きな影響を及ぼすといわれている。日々の様子を記録や写真に残し、残された時を大切に刻むことができるようなケアをチームで考え、個別性のある看取りケアを行っていきたい。