第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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シンポジウム(多領域専門職部門)

シンポジウム1(多領域専門職部門)
胎児診断を受けた家族への医療チーム支援-心穏やかに子どもを待つために

Fri. Jul 17, 2015 9:45 AM - 11:00 AM 第7会場 (1F シリウス)

座長:
河津 由紀子 (大阪府立母子保健総合医療センター)
日沼 千尋 (東京女子医科大学)

II-TRS1-01~II-TRS1-04

[II-TRS1-04] 胎児診断を受けた家族へのソーシャルワーク支援と多職種連携

富川 由美子 (東京女子医科大学病院)

ソーシャルワーカー(以下、SW)は病気やケガなどから生じる生活上の様々な問題(心理、社会的、経済的問題)に対して社会資源の紹介や活用、地域との連携をコーディネートしている。胎児診断を受けた家族は大きな衝撃を受け、児の治療、発達、発育に心を悩ませることは想像に難くない。と同時に医療費のこと、入院中の付き添いのこと、家族のこと、仕事は続けられるのだろうか、保育園には入れるのだろうか、小学は・・・等々先々の心配や不安が次々に湧いてくる。反面、今、そんな先のことまで聞くのはおかしなことではないか等の葛藤があるかもしれない。ともすると産むこと自体についても揺らぎが生じてくることもある。今回は、このような状況の家族に対し、ソーシャルワーカーのおこなう社会資源の活用と調整の紹介をしたい。そして診断から出産、治療、育児というプロセスの中で、SWのかかわる『時期』は いつ なのか、について考えてみたい。また、多職種連携と医療チーム支援については、コーディネーターの役割をとるのは誰なのか、その明確化を提案したい。子どもへの支援を考えたとき、そのチームには小児循環器医師、産科医師、新生児科医師、小児科医師というように同じ職種でもより専門分化されたスタッフが必要となる。入院の場合はその診療科の医師がコーディネーターの役割を発揮しているが、外来の場合、役割の所在がぼやけてしまう印象がある。様々な専門家が有機的に連携するためには、1. 各専門職(科)へのコンサルト2. 院内組織体への働きかけ3. 情報共有する場の設定と調整4. 1から3のマネジメントが必要である。さらに、病院の中に『胎児診断を受けた家族への医療チーム』が組織化されることが必要である。当院の現状と照らし合わせ、今後の課題を考察したい。