第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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要望演題

1-11 心不全・心移植

要望演題9
重症心不全治療

Fri. Jul 17, 2015 9:00 AM - 9:50 AM 第4会場 (1F ジュピター)

座長:
上野 高義 (大阪大学大学院)
横澤 正人 (北海道立子ども総合医療・療育センター)

II-YB9-01~II-YB9-05

[II-YB09-02] 小児重症心不全に対するBerlin Heart Excor使用経験からーこれからの適応・使用への課題

平田 康隆1, 進藤 考洋2, 高岡 哲弘1, 益澤 明広1, 尾崎 晋一1, 有馬 大輔1, 清水 信隆2, 犬塚 亮2, 平田 陽一郎2, 岡 明2, 小野 稔1 (1.東京大学医学部附属病院 心臓外科, 2.東京大学医学部附属病院 小児科)

Keywords:補助循環, 重症心不全, 心臓移植

臓器移植法改正により、小児重症心不全患者にとって心臓移植が本邦において可能となった。一方で長期化する待機期間中に保存的治療の限界に至れば補助循環の適応となるが、小児においては長期使用に耐えないECMOあるいは成人用の補助人工心臓(VAD)しか選択肢がなく、高率に血栓塞栓症など合併する。Berlin Heart社のEXCORは1990年よりEUにて2011年より米国にて使用される体外式拍動流VADであるが、ポンプサイズは最小10mlからあり新生児にも適応可能である。本邦においてもEXCORの医師主導治験が進められ、すでに6例の装着が行われた。当院1例目症例はすでに米国にて渡航移植を施行され帰国、経過良好である。2例目症例は治験開始前にECMOサポートとなりBridge to bridgeにてEXCORを装着した。装着から1年7ヶ月を経過し、全身状態は良好である。今後、補助人工心臓による重症心不全小児に対する治療が増加していくことが予想されるが、移植への待機期間が長期化するのは必須と考えられる。我々の経験の中で、浮かび上がってきた周術期管理の問題点(術前管理、手術のタイミング)やそれに対する改善案、長期化の場合の様々な問題点(創部処置や感染のコントロール、血栓対策、リハビリテーションなど)、患児のサポートなどについての課題を報告する。