[II-YB09-03] 体外式VADとして遠心ポンプ(Rotaflow R)を使用した2例
Keywords:Rotaflow, LVAD, 遠心ポンプ
【背景】2015年2月の時点で小柄な小児に使用可能な補助人工心臓(VAD)は治験中のEXCORRのみである。ニプロ型体外式VADも保険適応ではあるが、乳幼児には現実的に使用できない。重症心不全に対する補助循環として止むを得ず遠心ポンプ式VAD(RotaflowR)で中長期管理をした乳幼児2例を経験したので報告する。
【症例1;5歳女児、劇症型心筋炎】身長116cm、体重18kg。入院直後に急激な心機能低下あり、体外式膜型人工肺(ECMO)を導入。離脱困難で15病日にRotaflowによるLVADへ移行。20病日に脳梗塞を発症したが意識状態は回復。回路内血栓を認め、51病日、112病日、144病日、203病日、233病日に回路の交換を行なった。心不全治療での改善に乏しく、心臓移植レシピエントとして登録。現在、海外渡航移植準備中。
【症例2;1歳女児、DORV・CoA】身長70cm、体重8kg。日齢18に前医でCoA修復+PAB。1歳時に当院で心内修復術(Jatene+LV流出路作成)。CPB離脱困難でECMO装着のまま帰室。POD6;RCA損傷が判明し修復、LCA狭窄も判明。POD14;LCA再建。離脱困難なためPOD 19にRotaflowでのLVADへ移行。回路内の血栓に対してPOD37と50に回路交換を行なった。LV機能は改善傾向であり、離脱を検討中。
【考案とまとめ】日本で保険償還された唯一の体外式VADであるニプロ型は、1回の拍動で50-60mlが駆出されるため小児では高心拍出が問題となる。今回は2例とも小柄であるためRotaflowを選択せざるを得なかった。それぞれ7か月、1か月と中長期管理を行ない血栓や創部の固定などVADに共通の問題はあったが、比較的安定した循環補助が可能であった。今回の2例は他に代替手段がないため院内倫理委員会承認のもと臨時使用したが、基本的には適応外使用であり、早急なEXCORの承認導入が望まれる。
【症例1;5歳女児、劇症型心筋炎】身長116cm、体重18kg。入院直後に急激な心機能低下あり、体外式膜型人工肺(ECMO)を導入。離脱困難で15病日にRotaflowによるLVADへ移行。20病日に脳梗塞を発症したが意識状態は回復。回路内血栓を認め、51病日、112病日、144病日、203病日、233病日に回路の交換を行なった。心不全治療での改善に乏しく、心臓移植レシピエントとして登録。現在、海外渡航移植準備中。
【症例2;1歳女児、DORV・CoA】身長70cm、体重8kg。日齢18に前医でCoA修復+PAB。1歳時に当院で心内修復術(Jatene+LV流出路作成)。CPB離脱困難でECMO装着のまま帰室。POD6;RCA損傷が判明し修復、LCA狭窄も判明。POD14;LCA再建。離脱困難なためPOD 19にRotaflowでのLVADへ移行。回路内の血栓に対してPOD37と50に回路交換を行なった。LV機能は改善傾向であり、離脱を検討中。
【考案とまとめ】日本で保険償還された唯一の体外式VADであるニプロ型は、1回の拍動で50-60mlが駆出されるため小児では高心拍出が問題となる。今回は2例とも小柄であるためRotaflowを選択せざるを得なかった。それぞれ7か月、1か月と中長期管理を行ない血栓や創部の固定などVADに共通の問題はあったが、比較的安定した循環補助が可能であった。今回の2例は他に代替手段がないため院内倫理委員会承認のもと臨時使用したが、基本的には適応外使用であり、早急なEXCORの承認導入が望まれる。