[II-YB11-02] 学校管理下における突然死と心肺蘇生の状況について
キーワード:心肺蘇生, AED, 学校生活
【背景】学校生活における突然死は20年前より著減している。心臓検診での心電図記録義務化、致死性遺伝性不整脈の病態解明、全国の学校へのAED配置等が大きな要因と考えられる。【目的】学校管理下における心肺蘇生・AED使用と死亡状況を明らかにすること。【方法】2013年の文科省と日本学校保健会による「学校生活における健康管理に関する調査」の中で、心肺蘇生・AED使用状況の質問項目の回答集計の重複するものを除外し再計算した。質問内容は、1)2008年~2012年の5年間に学校生活で児童生徒に対して心肺蘇生あるいはAED使用が実施された事例件数。2)それらの症例における基礎疾患、外因性等の状況。3)心肺蘇生とAED使用に関する教育状況である。学校管理下における死亡状況は同時期の日本スポーツ振興センターの報告を採用した。【結果】5年間で児童生徒に対して学校で心肺蘇生やAEDを実施した事例数は600例。学校種別では小学校224例(0.9/100,000人・年)AED実施0.4/100,000人・年、中学校218例(1.8/100,000人・年)AED実施0.9/100,000人・年、高校157例(1.7/100,000人・年)AED実施0.9/100,000人・年であった。小学校と比し中学・高校で心肺蘇生・AED実施率は約2倍強の頻度であった。このうち健康とされ外的要因もない例は小学生24%、中学生34%、高校生41%と学年が進むにつれ増加した。学校管理下での同時期の死亡数(小学生54、中学生92)と比べると蘇生・AED施行数は小学生で4倍、中学生で2倍を超えた。心肺蘇生・AED講習会は高率で教職員に行われ(85%)、生徒へは中学57%、高校72%に行われ、大部分が地域の消防署と連携していた。【結語】学校管理下での心肺蘇生・AEDは普及しており、中学・高校でより必要度が高かった。