第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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要望演題

1-18 川崎病・冠動脈・血管

要望演題12
川崎病・冠動脈・血管

Fri. Jul 17, 2015 3:10 PM - 4:00 PM 第5会場 (1F アポロン A)

座長:
荻野 廣太郎 (元関西医科大学香里病院)
深澤 隆治 (日本医科大学付属病院)

II-YB12-01~II-YB12-05

[II-YB12-02] Infliximab不応で血漿交換を要した7症例の臨床所見、サイトカインプロファイルの特徴

鵜池 清, 山村 健一郎, 村岡 衛, 白水 優光, 寺師 英子, 中島 康貴, 永田 弾, 平田 悠一郎, 森鼻 栄治, 原 寿郎 (九州大学病院 小児科)

Keywords:インフリキシマブ, 血漿交換, TNF-α

【目的】IFX不応例の臨床的特徴やサイトカインの変化を把握し、その予測因子・有効な治療について検討する。【方法】対象は過去6年間にIVIG不応で当院に入院したIFX投与例40例。IFX投与で解熱した症例(IVIG追加も含む)をIFX反応群(n=34)、IFX不応で血漿交換を要した症例をPE群(n=6)とし、後方視的に比較検討した。群馬スコア、IFX投与病日、解熱病日、入院時CALの有無、血液検査(WBC, 好中球割合, CRP, Ht, AST, ALT, LDH, T-Bil, γ-GTP, Na, D-dimer, FDP)を比較した。またPE群全7例とIFX反応群11/36例(無作為に抽出)でIL-8, IL-6, IL-1β, IL-10, soluble TNFR1・TNFR2, VEGFをIFX治療前後で比較検討した。【結果】PE群で有意に男児が多く(男7:女0 vs男26:女10 , p=0.043)、解熱病日(14.0 vs 10.4日,p=0.005)は遅かった。PE群でWBC頂値(29915±4020 vs 20068±1641 /μL,p=0.029)、FDP頂値(21.5±3.3 vs 11.3±1.5 μg/mL,p=0.008)、D-dimer頂値(13.5±2.5 vs 4.1±1.1 μg/mL,p=0.012)は有意に高く、ナトリウム頂値(129.3±0.9 vs 132.2±0.4 meq/L,P=0.008)は低かった。両群でCAL総数に有意差はなかった(3/6 vs 11/34,p=0.33)。 中等瘤・巨大瘤はPE群1 例、IFX反応群2例でいずれも入院時(day12,day8,day9)すでに中等瘤を認めていた。TNFR1・TNFR2ともにIFX反応群(1439→762 pg/mL P=0.08, 6577→4317 pg/mL P=0.03)の方がPE群(2446→1454 pg/mL p=0.34, 10297→8358 pg/mL p=0.61)より減少傾向にあった。またIFX治療前からTNFR1・TNFR2ともにPE群で高い傾向にあった(2446 vs 1439 pg/mL P=0.22, 10297 vs 6577 pg/mL p=0.16)。【考察】PE群では、IFX治療前のTNFRが高く、また治療後の低下も十分でなく、臨床経過を反映しているものと考えられた。病勢が強く、特に男児、WBC・FDP・D-dimer高値、Na低値の症例ではIFX不応の可能性が高く、必要時は早期に血漿交換を施行することが重要であると考えられた。