第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

要望演題

1-18 川崎病・冠動脈・血管

要望演題12
川崎病・冠動脈・血管

2015年7月17日(金) 15:10 〜 16:00 第5会場 (1F アポロン A)

座長:
荻野 廣太郎 (元関西医科大学香里病院)
深澤 隆治 (日本医科大学付属病院)

II-YB12-01~II-YB12-05

[II-YB12-03] 川崎病大量免疫グロブリン不応例におけるインフリキシマブ投与51例の検討

蜂谷 明1, 赤澤 陽平1, 元木 倫子1, 柳沢 俊光1, 小林 法元1, 松崎 聡2 (1.信州大学医学部 小児医学教室, 2.国立病院機構松本医療センター中信松本病院 小児科)

キーワード:川崎病, IVIG不応例, インフリキシマブ

【背景】近年、川崎病の大量免疫グロブリン(IVIG)不応例に対して、インフリキシマブ(IFX)の有効性が報告されている。【目的】当院におけるIVIG不応例に対するIFX投与の効果を明らかにする。【方法】2007年3月から2014年12月の間、当院で川崎病IVIG不応例51例に対しIFXを投与した。IFX投与前にステロイドを投与した5例を除いた46例(年齢3ヵ月から7歳1ヵ月、平均3.0±1.8歳、男27、女19)について診断病日、リスクスコア、IFX投与病日、冠動脈病変合併の有無、IFX副作用の有無を後方視的に検討した。【結果】診断病日4.5±1.2日、IFX投与病日9.5±1.9日、大阪スコア陽性22/37例、久留米スコア陽性23/41例、群馬スコア陽性28/41例であった。IFX不応例は13例あり、5例に対し血漿交換を行った。川崎病不全型2例はいずれもIFX不応であった。IFX投与後に3.0mm以上の冠動脈瘤を形成したものは18例あり、1ヵ月以内の退縮11例、1ヵ月以降の退縮5例、縮小傾向の残存2例であった。巨大冠動脈瘤の形成はなく、IFXの副作用は認めなかった。【考察】大量免疫グロブリン不応の川崎病46例にIFXを投与し、巨大冠動脈瘤の残存はなく、冠動脈瘤形成後も退縮、あるいは縮小傾向となっており投与中の副作用も認めなかった。安全かつ有効な治療であると考えられる。