[III-O-13] フォンタン術後患者の肝臓造影MRI所見と肝臓超音波所見の相違
Keywords:フォンタン術後, 肝合併症, 造影MRI検査
【背景】Fontan術後患者の肝障害が問題となっているが、肝機能や肝線維化の評価法は未確立である。我々はGd-EOB-DTPAを用いた造影MRI検査によるFontan術後肝障害評価を試みており、肝実質病変として造影不良所見を確認している。一方、超音波検査では肝実質の点状高輝度所見と肝線維化の関連性が報告されているが、両検査所見を比較検討した報告はない。
【目的】肝臓造影MRI所見と超音波(US)所見の相違を明らかにすること。
【対象と方法】造影MRI検査とUS検査の両者を行ったFontan術後患者34例(男:18例、Fontan手術時年齢1.1歳-7.7歳)を対象に、各々の検査所見の特徴や頻度について検討した。
【結果】造影MRI検査では肝実質の造影不良を30例(88%)に認め、その約半数が中心静脈領域の造影不良を呈し、広範囲に伸展(Frog egg sign陽性)していた。また、門脈領域や区域性に造影不良を認める症例もあり、多様な所見を示していた。US検査では点状高輝度と斑状低エコーの混在像(肝実質の粗造化)を16例(47%)に認め、病変の伸展や範囲を特定することは困難であった。これら16例の造影MRI所見は、Frog egg sign陽性10例、軽度造影不良4例、造影不良所見なし2例であった。両検査共に肝実質所見を認めたのは14例であった。肝外所見としては造影MRI検査では肝辺縁不整、胆汁うっ滞、脾腫、US検査では肝内血管蛇行、肝辺縁鈍化、肝静脈拡張、脾腫を検出できた。また、術後2年以内に画像検査を行った14症例での検討では造影MRI検査で肝実質の造影不良を12例(86%)に認めたのに対し、US検査で肝実質の粗造化を認めた症例は4例(29%)にすぎなかった。
【まとめ】肝実質の所見は肝細胞壊死や肝線維化を反映する所見と考えられ、これは造影MRI検査で検出率が高かった。また、造影MRI検査では病変の伸展や範囲や胆汁うっ滞についての情報が得られ、術後早期から肝障害を描出できる可能性も示唆された。
【目的】肝臓造影MRI所見と超音波(US)所見の相違を明らかにすること。
【対象と方法】造影MRI検査とUS検査の両者を行ったFontan術後患者34例(男:18例、Fontan手術時年齢1.1歳-7.7歳)を対象に、各々の検査所見の特徴や頻度について検討した。
【結果】造影MRI検査では肝実質の造影不良を30例(88%)に認め、その約半数が中心静脈領域の造影不良を呈し、広範囲に伸展(Frog egg sign陽性)していた。また、門脈領域や区域性に造影不良を認める症例もあり、多様な所見を示していた。US検査では点状高輝度と斑状低エコーの混在像(肝実質の粗造化)を16例(47%)に認め、病変の伸展や範囲を特定することは困難であった。これら16例の造影MRI所見は、Frog egg sign陽性10例、軽度造影不良4例、造影不良所見なし2例であった。両検査共に肝実質所見を認めたのは14例であった。肝外所見としては造影MRI検査では肝辺縁不整、胆汁うっ滞、脾腫、US検査では肝内血管蛇行、肝辺縁鈍化、肝静脈拡張、脾腫を検出できた。また、術後2年以内に画像検査を行った14症例での検討では造影MRI検査で肝実質の造影不良を12例(86%)に認めたのに対し、US検査で肝実質の粗造化を認めた症例は4例(29%)にすぎなかった。
【まとめ】肝実質の所見は肝細胞壊死や肝線維化を反映する所見と考えられ、これは造影MRI検査で検出率が高かった。また、造影MRI検査では病変の伸展や範囲や胆汁うっ滞についての情報が得られ、術後早期から肝障害を描出できる可能性も示唆された。