第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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一般口演

1-07 カテーテル治療

一般口演-23
カテーテル治療

Sat. Jul 18, 2015 10:10 AM - 11:00 AM 第5会場 (1F アポロン A)

座長:
金 成海 (静岡県立こども病院)
北野 正尚 (国立循環器病研究センター)

III-O-21~III-O-25

[III-O-21] 本邦における先天性心疾患に対するカテーテル治療の動向;日本Pediatric Interventional Cardiology学会(JPIC)アンケート調査から

富田 英1, 小林 としき2, 大月 審一3, 矢崎 諭4, 金 成海5, 小野 安生5 (1.昭和大学横浜市北部病院 循環器センター, 2.埼玉医科大学国際医療センター 小児心臓科, 3.岡山大学大学病院 小児科, 4.国立循環器病研究センター 小児循環器科, 5.静岡県立こども病院 循環器科)

Keywords:先天性心疾患, カテーテル治療, 合併症

【背景】JPICでは1998年から先天性心疾患に対するカテーテル治療の症例数、合併症の頻度などについてアンケート調査を行ってきた。【目的】本調査の結果から主要な手技の現状について把握すること。【方法】調査項目がほぼ確立した2000年から2013年までの主要な9つの手技、肺動脈弁狭窄・大動脈弁狭窄に対する弁形成術(PTPV, PTAV)、肺動脈狭窄・大動脈縮窄に対する血管形成術(PS PTA, CoA PTA)、同じくステント留置術(PS Stent, CoA Stent)、動脈管開存を除く異常血管に対する血管塞栓術(Emboli)、経皮的動脈管開存閉鎖術(PDA)、経皮的心房中隔欠損閉鎖術(ASD)の症例数および担当医により報告された合併症の推移について検討した。【結果】調査期間における調査協力施設は63-124 (90±15、平均値±標準偏差、以下同じ)で、年ごとの症例数はPTPV, PTAV, PS PTA, CoA PTA, PS Stent, CoA Stent, Emboli, PDA, ASDの順に、144-265(221±30)、24-61(42±10)、215-730(478±159)、34-82(45±12)、86-156(119±19)、4-18(9±4)、194-735(400±169)、150-307(247±43)、1-650(407±258)件であった。PS PTA、Emboliは増加傾向にあるものと考えられた。年ごと合併症は同じ順に0.7-6.8(3.9±1.7)、0-16.7(4.2±5.0)、0.8-3.3(2.1±0.6)、0-15.4(5.2±4.4)、0-19.26(3.8±5.3)、0-25.0(7.0±9.3)、0.4-7.6(2.6±1.8)、0.7-6.2(3.3±2.0)、0-3.1(1.5±1.1)%に認められ、肺動脈閉鎖・重症肺動脈弁狭窄・重症大動脈弁狭窄に対する弁形成術では0-20.3 (12.7±5.1)%であり、その他の弁狭窄0-3.9(0.9±1.2)%に比して有意に合併症の頻度が高く(p<0.01)、バルーン血管形成術0.8-6.1(2.5±1.4)%では、ステント留置術0-13.6(5.7±4.5)%に比して合併症の頻度が高かった(p<0.01)。【考察と結語】過去10年以上にわたる本アンケート調査の結果は本邦における先天性心疾患に対するカテーテル治療の現状を示す指標になるものと考えられる。