第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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1-04 複雑心奇形

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複雑心奇形④冠動脈異常

Sat. Jul 18, 2015 11:14 AM - 11:44 AM ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:渡辺 健 (北野病院)

III-P-005~III-P-009

[III-P-005] major sinusoidal communicationを伴うPA/IVSの治療成績

林 知宏1, 横田 恵理子1, 鷲尾 真美1, 松尾 康司1, 荻野 佳代1, 脇 研自1, 新垣 義夫1, 笠原 真悟2, 佐野 俊二2 (1.倉敷中央病院 小児科, 2.岡山大学病院 心臓血管外科)

Keywords:肺動脈閉鎖, 類洞交通, カテーテル治療

【背景】major sinusoidal communication(SC)を伴うPA/IVSにおいて、心筋虚血の危惧から右室減圧の判断が困難な場合がある。当院では右室依存性冠循環がなければ、二心室修復を目指して段階的PTPVと外科的手術を組み合わせた治療を行っている。【目的】maior SCを伴うPA/IVSの治療成績を検討すること。【対象・方法】1999年から2014年までに当科で管理を行ったmajor SCを伴うPA/IVSの6例中、右室依存性冠循環によりTCPCを施行した1例を除く5例。右室圧/左室圧比(RVp/LVp) 、%右室拡張末期容量(%RVEDV)、%三尖弁輪径(%TVD)、SCの経過などを後方視的に検討。段階的PTPVは過度の右室圧減圧を避けるべく、右室圧/左室圧比 1.0前後を目標とした。【結果】4例で肺動脈弁切開術+BTシャント術後に段階的PTPVを施行、1例は段階的PTPVを先行させ、RVOTR+三尖弁形成術を施行。PTPVは延べ14回施行した。統計学的有意差は認めなかったが、RVp/LVp 1.81±0.58→1.01±0.39、%RVEDV 32.3±14.4→40.9±22.5、%TVD 63.6±14.9→72.5±15.6とRVpは低下し、%RVEDV・%TVDは増大傾向であった。全例でSCは経過中に自然退縮し、経過中に虚血所見を認めなかった。最終的に3例が二心室修復へ到達(RV overhaul+RVOTR)。one and one half repair、BDG が各1例であった。二心室修復へ至らなかった例は、1例が%TVD 50.9%と低形成で、1例が%TVD 97.9%だが、弁口が38.6% of Nと低値であった。最終手術後のfollow up期間は1~15年(中央値5年)で、全例が生存している。【結語】major SCを伴うPA/IVSにおいて、段階的PTPV及び外科的手術で右室減圧を行い、等圧で維持することで、SCが退縮し、二心室修復が可能となる症例がある。