第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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1-05 画像診断

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画像・心エコー システム

Sat. Jul 18, 2015 10:50 AM - 11:20 AM ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:木村 純人 (北里大学)

III-P-010~III-P-014

[III-P-011] レベルII 胎児心臓超音波検査 オンライン多施設間全国登録について

梶野 浩樹1,2, 瀧聞 浄宏1,3, 亀井 良政1,4, 安河内 聰1,3 (1.日本胎児心臓病学会 データベース委員会, 2.網走厚生病院 小児科, 3.長野県立こども病院 循環器小児科, 4.埼玉医科大学病院 産婦人科)

Keywords:日本胎児心臓病学会, 胎児心臓超音波検査, 多施設間研究

【背景】我が国では保険対象であるレベルII胎児心臓超音波検査を多施設間によるオンライン登録により学会が主体となって集積し実情を把握している。これは世界的に見ても希有なシステムである。現在、総件数20000件以上となった。【対象と方法】2004年10月1日より2014年12月31日の期間に登録されたレベル(II)胎児心臓診断20033件。検査の経年件数、各県の登録件数、疾患分類別の検査割合を調べて解析した。【結果】経年的に登録は増加、2009年頃まで1400件前後だったものが2000-3000件となった。疾患分類では先天性心疾患が8399件42%、正常が38%、不整脈が7%、心外異常8%で、有病の先天性心疾患が多くを占める。各県の登録数は、大阪、東京、京都、長野がそれぞれ3161、3058、2749、1859件と多い。先天性心疾患の内訳では、VSDが1548件(18.6%)、SRV490件、SLV 114件、DORV891件、HLHS830件、AVSD777件、TOF765件であり、四腔断面の異常を示すものが多い。dTGAが494件(5.9%)、CoA395(4.7%)件、IAA139件で、TAPVCはわずか53件(0.6%)であった。これらは疾患発生度からしても少ない件数であった。不整脈は1270件7%でPAC506件(39.8%)、完全房室ブロック152件、PVC128件、PSVT 85件、Af &AF82件、VT41件であった。2013年12月よりHPからの登録がさらに簡素化され、スマートホンからもダイレクト登録可能でこの一年の登録数は4000件以上になった。さらに登録施設数は100を超え、登録数50件以上の要件で申請された専門検査施設は30施設となった。【結語】近年、登録は増加傾向にあり20000件を超えた。レベルII胎児心臓超音波検査の多施設間オンライン登録は、検査の実態をよりよく把握することができた。現在ある地域差を改善してゆき全国に胎児心臓診断を浸透させ、検出率の低い疾患の診断率向上に寄与してゆきたい。