第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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ポスター

1-20 その他

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カテーテル治療④

Sat. Jul 18, 2015 11:20 AM - 11:50 AM ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:田中 敏克 (兵庫県立こども病院)

III-P-026~III-P-030

[III-P-027] 純型肺動脈閉鎖症に合併する類洞交通に対する経皮的コイル塞栓術

橋本 康司, 石井 徹子, 杉山 央, 中西 敏雄 (東京女子医科大学 循環器小児科)

Keywords:純型肺動脈閉鎖症, 類洞交通, コイル塞栓術

【背景】純型肺動脈閉鎖症の成人期の問題のひとつに類洞交通(SC)拡大があり、心筋虚血や容量負荷による心不全例を合併する例もある。しかし、SCの自然歴、非自然歴は不明で、突然死の報告もある。今回、巨大なSCに対してコイル塞栓術を施行した2症例の経過を報告する。【症例】症例1;27歳女性。TCPC術後。回旋枝(LCx)から右室心尖部に開口するSC。左室前壁虚血のため、コイル塞栓術施行。SCの遠位側にデタッチャブルコイル23個使用し閉塞を確認した。閉塞直後からSC内の造影剤の停滞を認め、ワーファリンを開始した。術後半年、1年半後のカテーテル検査では、LCxの径は、11.5mm→4.8mm→4.5mmと縮小し、経過とともに残存するSCの縮小と短縮を認めた。また、術前にはみられなかったSCと思われた血管からの冠動脈分枝が良好に造影され、拡大血管の全てがSCではないことがわかった。症例2;40歳女性。One and a half repair術後。左冠動脈および右冠動脈(RCA)から右室心尖部に開口するSC。左室前壁虚血を認め、コイル塞栓術施行。蛇行の緩やかなRCAからのSCに対し遠位側にマイクロコイルを留置できた。さらにデタッチャブルコイル2個を留置し閉塞を確認した。術直後からSC内の造影剤の停滞を認め、ワーファリン開始。術後半年のカテーテルでは、RCAの径は6.0mm→5.5mmと縮小し、SCは2.5mm→1.2mmと縮小していた。症例1と同様に、冠動脈の分枝がSCと考えていた血管より良好に造影された。【考察】コイル塞栓により術後SCは細くなり、末梢冠動脈は良好に視認可能となる。拡大したSCに対する塞栓後は、抗凝固剤を使用する必要がある。