[III-P-029] 本邦における心室中隔欠損を伴わない肺動脈閉鎖(PA/IVS)に対するカテーテルインターベンションの治療成績についての検討
キーワード:肺動脈閉鎖, カテーテル治療, 日本Pediatric Interventional Cardiology学会
【背景】本邦におけるPA/IVSに対するカテーテルインターベンション(CI)の治療成績の推移については未だ明らかにされていない。【目的】本邦でのPA/IVSに対するCIの治療成績の推移を明らかにすること。【方法】2000年から2013年まで日本Pediatric Interventional Cardiology学会が行ってきたアンケート調査によるCIの集計から2000から2006年の前期、2007年以降の後期に分けて施行数・成功数・合併症数について検討を行う。【結果】この期間のアンケート協力施設数は63-124(90±16、平均値±標準偏差、以下同じ)であった。総施行症例数278例、総成功症例数200例で成功率72%であった。年間のCI施行症例数・成功症例数・合併症数は9-26 (20±5)、7-20 (14±4)、0-9 (4±2)であった。合併症発生率は0-47 (20±13)%で、前期・後期での合併症発生率は13-44 (23±11)%、0-47 (17±14)%で有意差はなく、内訳は右室穿孔21・心タンポナーデ8・透視2時間以上5・高度不整脈4例であった。期間中の重篤な合併症(外科手術介入、死亡、中枢神経系合併症の合計)は11例で手術・死亡症例数は8(3%)、3例(1%)であった。手術理由は心タンポナーデ4、右室穿孔1、不明3例で死亡理由は心タンポナーデ1・右室穿孔1・敗血症1例であった。【考察】2006年のThe Annals of Thoracic SurgeryでのCincinnati Children’s HospitalのCIによる合併症発生率が21%であり、Radiofrequency ワイヤーが導入される前の本邦の成績はほぼ海外に比肩しうると考えられるが、期間を通じて合併症発生率の低下はなく、右室穿孔・心タンポナーデを回避する新たなmodality・手技の確立が望まれる。