[III-P-031] 当院施行の成人先天性心疾患へのカテーテルインターベンションの特徴
Keywords:成人先天性心疾患, インターベンション, ステント
背景:成人先天性心疾患(ACHD)の患者は年々増加しておりカテーテルインターベンション(CI)の対象になる症例も増えている。目的:当院施行のACHDへのCIの特徴を調査すること。対象:2010~2014年に当院CI施行の18歳以上の例で、31人の患者に対してのべ38回のCI施行。2014年からはASO患者15人とADO患者1人含まれたが、それらを除いた15人のべ21回のTCIについて検討した。結果:年齢は中央値27歳(18-64歳)。全員がADL自立の患者。症例の内訳はFontan術後が4人で6回のCI(コイル塞栓3回、PAステント留置2回、fenestration作成1回)、CoAが4人で5回のCI(ステント4回とステント再拡張1回)、術後肺動脈狭窄が2人(ステント1回、バルーン1回)、術後SVC症候群1人で3回のCI(バルーン2回、ステント1回)、肺動静脈瘻(PAVF)が1人でコイルが2回、Scimitar症候群へMAPCAとIVC-PVシャントのコイルが1人、PA+VSDのMAPCAバルーンが1人、PDAコイルが1人。CIの目標達成は13/15(87%)。ただし、5人が短期間に複数回のCIを必要とした。複数回施行の理由は、手技を2回に分けたものが4人で、再狭窄によるものが1人。Native病変への治療の患者は6人(CoA:3、PDA:1、PAVF1、Scimitar:1)。合併症が1例であり、PA+VSD例で術後に大腿仮性動脈瘤形成し、数日の圧迫止血後に外科的血管形成術となり、安静解除後に奇異性脳塞栓を起こし右片麻痺が残った。考察:ACHDのCIは、体格によるデバイスの選択性が高くCIの良い適応である。ただし、対象の病変サイズが大きいため手技時間を長く要する例があり複数回に分けて施行する必要があった。また、未修復のチアノーゼ型CHD例も対象となり、それらは合併症のリスクが高い。