第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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1-11 心不全・心移植

ポスター
心不全③

Sat. Jul 18, 2015 10:50 AM - 11:20 AM ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:山村 健一郎 (九州大学病院)

III-P-050~III-P-054

[III-P-050] 心臓移植適応と判断した小児期発症心筋症の臨床経過に関する分析

小森 暁子, 鮎沢 衛, 加藤 雅崇, 趙 麻未, 渡邉 拓史, 阿部 百合子, 中村 隆広, 市川 理恵, 神保 詩乃, 神山 浩, 高橋 昌里 (日本大学医学部付属板橋病院小児科学系 小児科学分野)

Keywords:心臓移植, 心筋症, 心不全

【目的】わが国の小児心臓移植適応患者は、登録後の1年生存率は32.5%(平均生存期間7.5か月)に対して、平均待機時間は3年以上と長い。心臓移植は十分な内科的管理下にあり、さらに他臓器に合併症がない条件での登録が望ましく、その要因を分析する。【方法】当院の過去20年間の入院患者中、心臓移植適応と判断した小児期発症心筋症6例について、他臓器合併症の有無により2群に分け、後方視的に臨床記録を分析し、合併症なく移植登録が行われるための条件について検討する。【対象】18歳までに重症心不全のため当院に入院し、心臓移植適応と判断した6症例(男児4例、女児2例)。合併症なく登録に至った4例(A群)と、登録したものの他臓器に合併症のある2例(B群)に分けて比較検討した。【結果】診断時平均年齢;A群6.3±4.3歳、B群3.0±1.0歳。基礎疾患;A群:拡張型心筋症(DCM)1例、左室心筋緻密化障害(LVNC)1例、拘束型心筋症(RCM)2例。B群(合併症):心筋炎後心筋症(敗血症)とDCM(脳梗塞)各1例。遺伝子変異はA群で2例検出された(LAMP2、TAZの変異各1例)。診断契機;A群:学校心臓検診3例、乳児健診1例。B群:2例とも急性心不全発症で入院。不整脈の合併;A群2例、B群1例、心臓カテーテル検査データ;A群: CI 2.6 L/min/m2、PVRI 3.5Wood・u/m2、B群:CI 2.8 L/min/m2、PVRI:1.9Wood・u/m2。投与薬剤;β-blocker:A群3例、B群1例、カテコラミン:A群2例、B群1例、PDE3阻害薬:A群2例、B群1例。【考察】合併症なく移植登録に進んだ群は、すべて健診で早期発見され、病院管理開始後に心不全が重症化した。合併症例は、乳幼児期に重症心不全を発症して管理開始した例であった。他の要因は明らかな違いはなかった。