第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

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1-11 心不全・心移植

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心不全③

2015年7月18日(土) 10:50 〜 11:20 ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:山村 健一郎 (九州大学病院)

III-P-050~III-P-054

[III-P-052] 小児重症心不全患者に対する臨床研究と臨床治験

平 将生1, 上野 高義1, 小澤 秀登1, 金谷 知潤1, 松長 由里子1, 荒木 幹太1, 小垣 滋豊2, 戸田 宏一1, 倉谷 徹1, 澤 芳樹1 (1.大阪大学大学院医学系研究科 心臓血管外科, 2.大阪大学大学院医学系研究科 小児科)

キーワード:小児心不全, 治験, 臨床研究

【背景】小児重症心筋症は希少疾患であるが、予後不良な難治性疾患であり、心臓移植を検討する必要がある。しかし、臓器移植法の改正後もドナー不足は問題であり移植にたどり着く患者の数は限られている。その中で、当院ではこのUnmet medical needsを満たすべく臨床試験を行い、小児重症心筋症に対する新たな治療法の開発を世界に発信すべく行っており、その経験を報告する。【方法】現在、小児重症心筋症に対する自己由来骨格筋芽細胞シート移植、重症心不全小児患者に対する小児用補助人工心臓の多施設共同臨床試験を実施。それぞれ、ヒト幹細胞臨床研究実施における倫理指針、ICH-E11ガイドライン、小児集団における臨床試験に関するガイダンス等をもとに、試験デザインを設定した。【結果】小児筋芽細胞シート移植の開発では、試験物の安全性試験は先行する成人のものに追加して、非臨床試験において、幼若動物を対象にした安全性評価を実施した。試験物の細胞数は、成人とは異なり、細胞数を体重換算で規定した。評価項目は安全性を主要評価とし、症例数設定は臨床研究15例、治験は3例とした。有効性評価は十分な症例数を設定することは困難であるが、QOL評価や運動耐容能変化などを各被験者の介入前後の比較をすることで評価することとした。有害事象の検討において、検査値異常変動には年齢別の基準値設定を行った。同意説明には被験者の年齢に応じて、患児へも十分な説明を行うためのアセント文書を別に作成した上で、代諾者からの承諾を得ることとした。小児用補助人工心臓の治験では、オーファンデバイスとして早期薬事承認を目指した医師主導治験を実施。東京大学を調整事務局とし、多施設共同臨床試験を実施した。当院では4例の心筋症患児に対して、臨床試験を行った。【まとめ】小児対する臨床試験では、小児患者に対する特有の社会背景や疾患背景をもとに試験デザインを設定する必要があると考えられた。