第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスター

1-13 術後遠隔期・合併症・発達

ポスター
術後合併症(感染症等)

2015年7月18日(土) 11:14 〜 11:50 ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:高月 晋一 (東邦大学医学部附属大森病院)

III-P-064~III-P-069

[III-P-067] 心外膜リードを用いたペースメーカー感染の検討

工藤 恵道1, 竹内 大二1, 西村 智美1, 豊原 啓子1, 富松 宏文1, 真中 智之2, 庄田 守男2, 平松 健司3, 長嶋 光樹3, 中澤 誠4, 中西 敏雄1 (1.東京女子医科大学病院 循環器小児科, 2.東京女子医科大学病院 循環器内科, 3.東京女子医科大学病院 心臓血管外科, 4.脳神経疾患研究所附属総合南東北病院 小児生涯心臓疾患研究所)

キーワード:心外膜リード, ペースメーカー感染, ペースメーカー完全除去

【背景】先天性心疾患や小児ではペースメーカー(PM)植込みに心外膜リードを使用することも多い。ペースメーカー(PM)感染は、重篤な合併症であるが心外膜リードを用いたPM植込みに関しては、明確な治療指針は未だない。【対象】対象は、9例の心外膜リードを用いたPM感染例。複雑心奇形術後7例を含む(cTGAダブルスイッチ術後2例、多脾症TCPC術後1例、DORVラステリ術後1例、TGAジャテン術後2例、単心室septation後1例)。感染時年齢は、3歳1ヶ月から26 歳。【方法】臨床経過、細菌培養結果、対処法について後方視的に検討した。【結果】初発症状は全例、ポケット部位の発赤腫脹であった。直近のPMI又はPM交換から発症までの期間は5日から9か月。創部培養 は6例(67%)で陽性(MSSA2例、MRSA1例、S.capitis1例、aerobic GPR1例、S.aureus1例)。血液培養は3例(33%)で陽性(H.influenzae, S.capitis, MSSA)。全例で疣贅は認めず、感染に対する対処として最初にPM本体の除去と抗生剤投与が全例に施行された。しかし、6例(67%)は感染のコントロールが不良であり最終的に再開胸(PM本体摘出後0日から5年5ヶ月)によるリード抜去(PM完全抜去)をする事で感染のコントロールができた。リード抜去に至らなかった3例では、ポケット洗浄とGenertor交換したものが2例、リードを途中から切断してリードとPMを抜去、リード先端が残存しているものが1例であった。以降は3例全て感染コントロールされていた。【結論】心外膜リードを用いたPM感染においても、67%の症例でPM完全抜去を要した。再開胸リスクなどからリード抜去の時期が遅れる傾向もあるが、血液培養陽性例や感染コントロールがつかない場合は早期のPM完全除去の検討を要する。