[III-P-070] 先天性心疾患術後亜急性期以後の頭蓋内合併症についての検討
キーワード:術後合併症, 脳梗塞, 脳出血
【目的】術後急性期以後に明らかとなった頭部疾患合併症の全体像について明らかとすることを目的とした。
【方法】2004年1月から2015年1月までに当院で頭部CTを撮影した症例について診療録をもとに後方視的に検討した。当院で頭部CTを撮影した317例のうち明らかな所見をもつ58例について検討した。
【結果】術後にICU退室後に症状が明らかとなったもの、あるいは無症状であったが頭部CTで病変があきらかになったもの35例を検討した。(1)2心室修復対象群14例:内訳は根治術後11例(梗塞5例、出血4例、萎縮1例、低酸素脳症1例)、姑息術(palliative Rastelli)後1例(梗塞)、Eisenmenger症候群2例(梗塞1例、膿瘍1例)だった。根治術後は、弁置換術後が5例(出血4例、梗塞1例)と多く、弁置換術後を除くとスクリーニングで明らかになった陳旧性病変が4例、不整脈にともなう急変時の低酸素脳症1例、Rastelli術後の脳梗塞1例であった。(2)1心室修復対象群21例:内訳はフォンタン術後7例(梗塞4例、硬膜下血腫2例、萎縮1例)、グレン術後6例(梗塞5例、低酸素脳症1例)、グレン術前8例(梗塞2例、出血1例、硬膜下水腫1例、膿瘍2例、萎縮2例)だった。脳梗塞症例について検討すると、フォンタン後は陳旧性梗塞が3例、急性脳梗塞は1例でfenestrationを持つ症例であった。グレン術後は急性脳梗塞が5例と多かった。グレン術前は乳児期の急性脳梗塞が1例、shunt術後のまま成人期に至った急性脳梗塞例が1例であった。
【結論】2心室修復対象群は人工弁置換術後の出血、根治術前の梗塞・出血の合併症が多い。1心室修復対象群はフォンタン術前の脳梗塞が多い。グレン術前は全身状態不良での脳疾患合併例が多いが、グレン術後は術後経過が良好であっても脳疾患合併、特に脳梗塞発症のリスクが高い。
【方法】2004年1月から2015年1月までに当院で頭部CTを撮影した症例について診療録をもとに後方視的に検討した。当院で頭部CTを撮影した317例のうち明らかな所見をもつ58例について検討した。
【結果】術後にICU退室後に症状が明らかとなったもの、あるいは無症状であったが頭部CTで病変があきらかになったもの35例を検討した。(1)2心室修復対象群14例:内訳は根治術後11例(梗塞5例、出血4例、萎縮1例、低酸素脳症1例)、姑息術(palliative Rastelli)後1例(梗塞)、Eisenmenger症候群2例(梗塞1例、膿瘍1例)だった。根治術後は、弁置換術後が5例(出血4例、梗塞1例)と多く、弁置換術後を除くとスクリーニングで明らかになった陳旧性病変が4例、不整脈にともなう急変時の低酸素脳症1例、Rastelli術後の脳梗塞1例であった。(2)1心室修復対象群21例:内訳はフォンタン術後7例(梗塞4例、硬膜下血腫2例、萎縮1例)、グレン術後6例(梗塞5例、低酸素脳症1例)、グレン術前8例(梗塞2例、出血1例、硬膜下水腫1例、膿瘍2例、萎縮2例)だった。脳梗塞症例について検討すると、フォンタン後は陳旧性梗塞が3例、急性脳梗塞は1例でfenestrationを持つ症例であった。グレン術後は急性脳梗塞が5例と多かった。グレン術前は乳児期の急性脳梗塞が1例、shunt術後のまま成人期に至った急性脳梗塞例が1例であった。
【結論】2心室修復対象群は人工弁置換術後の出血、根治術前の梗塞・出血の合併症が多い。1心室修復対象群はフォンタン術前の脳梗塞が多い。グレン術前は全身状態不良での脳疾患合併例が多いが、グレン術後は術後経過が良好であっても脳疾患合併、特に脳梗塞発症のリスクが高い。