第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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ポスター

1-13 術後遠隔期・合併症・発達

ポスター
フォンタン循環(低心拍出)

Sat. Jul 18, 2015 11:26 AM - 11:56 AM ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:鷄内 伸二 (兵庫県立尼崎病院)

III-P-076~III-P-080

[III-P-078] Fontan術後患者における腹膜透析導入時の低心拍出症候群の管理

武口 真広, 朝貝 省史, 加藤 匡人, 富松 宏文, 石井 徹子, 稲井 慶, 中西 敏雄 (東京女子医科大学 循環器小児科)

Keywords:Fontan, 腹膜透析, 低心拍出症候群

【背景】Fontan循環は静脈還流に依存しており、循環血液量減少により容易に低心拍出症状を呈する。Fontan患者の維持透析例はまだ少なく、透析導入に際して循環管理に難渋した2症例を報告する。【症例1】両大血管右室起始症の19歳女性。3歳でAPC Fontan手術。18歳時カテーテル検査の中心静脈圧9mmHg、肺動脈楔入圧5mmHg、体血流量2.9L/min/m2。脳性ナトリウム利尿ペプチド68pg/ml。13歳頃から徐々に腎機能障害が進行し、18歳で慢性腎疾患stage5と診断された。循環動態的に変動の少ない腹膜透析を導入。しかし、導入後嘔吐、腹痛を反復し、絶食輸液管理。除水後の中心静脈圧低下(10mmHg→除水直後7mmHg)から腹膜透析による低心拍出症状と診断した。朝の症状が強かったため、夜間のみの自動腹膜透析からより時間をかけた日中の持続腹膜透析へ変更し症状の軽快を得た。しかし、外来でも時に低心拍出症状を呈し輸液を必要とすることがある。【症例2】無脾症候群、左室性単心室の12歳男児。2歳でTCPC。3歳時カテーテル検査の中心静脈圧12mmHg、肺動脈楔入圧5mmHg、体血流量2.6L/min/m2。脳性ナトリウム利尿ペプチド5.3pg/ml。両側低形成腎で、8歳頃から腎機能障害が進行し12歳で急性増悪をきたし緊急で血液透析導入。透析開始から12日目に日中の持続腹膜透析へ移行。夜間の自動腹膜透析を追加後、血圧低下、悪寒を反復し、日中3回の持続透析を1回へ減らすことで症状の軽快を得た。【結論】Fontan循環では、腹膜透析導入後に低心拍出量症候群におちいることがある。前負荷に注意した循環管理が必要である。