[III-P-089] 心臓MRIによるFontan循環の評価
キーワード:MRI, Fontan, 心室機能
【背景】近年、Imaging modalityとしての心臓MRI(CMR)の発展はめざましく、Fontan(F)循環においても、予後予測因子や血行動態の新知見が明らかにされつつある。CMRの長所はその多芸性で、3D形態診断はもちろん、ポンプ機能や血流量に加え質的評価も可能である。しかし、従来のカテーテル検査(カテ)指標と、CMR指標の関連は明らかでない。【目的】CMRでみた Fontan症例の臨床像を明らかとし、同時施行したカテ指標とのcombinationを検討する。【対象と方法】CMRおよびカテを36時間以内に同時施行したF術後178例。年齢12.5±7.6歳, F術時4.3±2.9歳,F術後8.2±6.3年. TA34, SRV29, HLHS24, uAVSD17, PAIVS19, SLV12, cTGA5,他38例. 男女比97/81.得られた指標を比較検討した.【結果】SVEDVはSVEFと逆相関(R2=0.31)し,EDP・心筋重量と正相関した(R2=0.17,0.48).SVEFはRR間隔と正相関した(R2=0.11)。心筋重量はVA couplingの指標であるSV/ESV(簡易Emax/Ea)と逆相関し(R2=0.15)、18歳以上でEDPと正相関した(R2=0.10).一方、静脈還流にしめるSVC flowの割合は年齢と逆相関したが、18歳以上では相関なくmPAPと弱い正相関を示した.reCoA40例の圧較差と心筋重量、LT法22例でのleak量とSpO2も有意に相関した。3DMRAでは導管内血栓を3例に認めた.【結論】Fontan循環の心室機能が肺循環の影響を強く受け拡張障害を生じていると考察したい。すなわち、肺血管を介して心室の前負荷となる還流が減少すると、RRが短縮せざるを得ず,EFが低下する。前負荷で伸展されない心筋は硬化, remodelingを生じ,遠心性肥大として表出される.他にも様々な解析が可能であった.CMRでの切り口を加えることでより詳細な血行動態やadaptationのメカニズムについて検討することが可能と思われた.