[III-P-099] 気管支炎を契機に発見された右肺動脈欠損症の1例
キーワード:右肺動脈欠損, 肺高血圧, 肺低形成
【背景】一側肺動脈欠損症は複雑心奇形に合併することはしばしばあるが、孤立性一側肺動脈欠損症は先天性心疾患で4万人に1人と非常に稀である。肺動脈近位部欠損とも呼ばれ、肺動脈発育不良による肺低形成を合併しやすい。今回、気管支炎で入院した際の胸部X線検査で軽度の右肺低形成を認めたことを契機に診断に至った。
【症例】2歳の女児。気管支炎のため当院を受診し、胸部X線検査で右肺の低形成を指摘され、先天性右肺動脈欠損症を疑われた。心臓超音波検査と胸部造影CT検査を施行し、右肺動脈欠損症と診断した。肺動脈シンチでは左:右=97.6:2.4と右肺に肺動脈血流をほとんど認めなかった。心臓カテーテル検査の肺動脈造影では右肺動脈は全く造影されず、大動脈造影で腕頭動脈と右下横隔膜動脈から右肺動脈への側副血行路を認めた。また、現時点で肺高血圧は認めなかったものの、左肺動脈の平均圧は19mmHgと高値であった。将来的に肺高血圧に進行する可能性が高いと考えられたため手術適応と判断した。後日、右B-Tシャント術が施行されたが、将来的な根治術を考慮して、血管成長の期待できる奇静脈を用いてシャント形成を施行した。
【考察】今回の症例は低年齢であり、肺高血圧に移行する前に診断に至った。しかし、心臓カテーテル検査では左肺動脈の平均圧の上昇を認め、肺高血圧に移行する可能性が高いと判断した。そのため無症状ではあったが根治術を目指し、シャント術を施行した。シャントにより右肺動脈の成長を促し、将来的にはシャントに使用した奇静脈をそのまま使用し、肺動脈の再検が出来ると考えられる。
【症例】2歳の女児。気管支炎のため当院を受診し、胸部X線検査で右肺の低形成を指摘され、先天性右肺動脈欠損症を疑われた。心臓超音波検査と胸部造影CT検査を施行し、右肺動脈欠損症と診断した。肺動脈シンチでは左:右=97.6:2.4と右肺に肺動脈血流をほとんど認めなかった。心臓カテーテル検査の肺動脈造影では右肺動脈は全く造影されず、大動脈造影で腕頭動脈と右下横隔膜動脈から右肺動脈への側副血行路を認めた。また、現時点で肺高血圧は認めなかったものの、左肺動脈の平均圧は19mmHgと高値であった。将来的に肺高血圧に進行する可能性が高いと考えられたため手術適応と判断した。後日、右B-Tシャント術が施行されたが、将来的な根治術を考慮して、血管成長の期待できる奇静脈を用いてシャント形成を施行した。
【考察】今回の症例は低年齢であり、肺高血圧に移行する前に診断に至った。しかし、心臓カテーテル検査では左肺動脈の平均圧の上昇を認め、肺高血圧に移行する可能性が高いと判断した。そのため無症状ではあったが根治術を目指し、シャント術を施行した。シャントにより右肺動脈の成長を促し、将来的にはシャントに使用した奇静脈をそのまま使用し、肺動脈の再検が出来ると考えられる。