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肺高血圧　まとめ

[III-P-102] 先天性心疾患に伴う肺動脈性肺高血圧症例の多施設・前向き症例登録研究報告(J-EPOCHレジストリ) －第1報－

^○福島 裕之^1,2, 犬塚 亮^2,3, 中西 敏雄^2,4 (1.慶應義塾大学医学部　小児科,　2.J-EPOCHレジストリ研究グループ,　3.東京大学医学部　小児科,　4.東京女子医科大学　循環器小児科)

Keywords:肺動脈性肺高血圧症, 先天性心疾患, レジストリ研究

【背景】肺動脈性肺高血圧症特異的治療薬の進歩に伴い、先天性心疾患に伴う肺動脈性肺高血圧（CHD-PAH）症例の治療成績も向上したと推測されるが、本邦における、CHD-PAH症例への治療内容・治療成績に関する大規模なデータは未だ得られていない。【目的・方法】以下の課題を明らかにするために、2014年度日本小児循環器学会研究委員会研究課題として、同学会倫理委員会の承認を得て研究を開始した。主要評価課題はCHD-PAH症例の生存率（生命予後）、副次的評価課題はCHD-PAH症例への薬物治療の現状、予後（生存率）に影響する因子、臨床的増悪/死亡の予測因子、治療法と患者の予後との関連、treat and repair strategyの妥当性、シャントの位置による臨床像の異同などである。研究は多施設・前向き症例登録研究（レジストリ研究）で、治療内容に介入を行わない観察研究である（5年間観察予定）。すべてのCHD-PAH患者を対象とし、一部のフォンタン循環患者も対象とする。データ登録は、個人情報の保持に留意したウェブ登録画面により行う。登録症例は、初期登録例・新規診断例、計600例を目標としている。【結果】症例登録が進行中であり、学会では登録症例の概要を公表し、以後の展望を述べる。【まとめ】本邦で初めて、CHD-PAH症例のレジストリ研究を開始した。本研究により、現在の我が国の治療方針が妥当である、あるいは欧米よりも優れていることを示すことが可能となると期待する。また、エビデンスに基づくCHD-PAH診療ガイドラインの策定にも寄与すると考える。
（J-EPOCHレジストリ研究グループ：糸井利幸（京都府立医科大学）、小野安生（静岡県立こども病院）、佐地 勉（東邦大学）、田村雄一（慶應義塾大学）、三谷義英（三重大学）、宮田裕章（東京大学）、安河内 聰（長野県立こども病院）、山岸敬幸（慶應義塾大学）、福島裕之、犬塚 亮、中西敏雄）