第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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1-16 肺循環・肺高血圧・呼吸器疾患

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肺高血圧 まとめ

Sat. Jul 18, 2015 10:50 AM - 11:26 AM ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:吉林 宗夫 (瀬田三愛小児科)

III-P-102~III-P-107

[III-P-103] Eisenmenger症候群多施設共同研究の進捗状況

坂崎 尚徳1, 丹羽 公一郎2 (1.兵庫県立尼崎病院 小児循環器内科, 2.聖路加国際病院 心血管センター)

Keywords:Eisenmenger, Disease targeting therapy, hypoxia

【背景】今まで、Eisenmenger症候群(ES)成人例の生命予後は比較的良いと考えられてきた。しかしながら、REVEAL registryでは、ES成人例の生存率は特発性肺高血圧と差がなく、また、過去の論文の生存率が過大評価されているとの論文も発表されている。【目的】現在のESMCSの進捗状況および今後の対策を示す。【方法】現在の登録数、登録施設、登録症例の罹病状況、臨床所見の変化を調べた。【結果】本年1月現在の登録数は46例(女性28)、登録施設は12施設であった。登録時年齢中央値34歳、診断の内訳は、VSD 25、AVSD 9、ASD 6、PDA 1、Truncus 1、DORV 1、UVH 1例で、Down症は19 例含まれていた。既往症は、失神2例、心不全症状16例、不整脈3例、全身合併症26例(喀血9例、肺出血3例、腎不全7例、痛風6例など)であった。登録時のWHO-FCは、1; 1例,2;28例,3;17例で、SPO2中央値86%(四分位範囲IQR 80-90%)であった。支持療法として、HOTが15例に行われており、瀉血が1例3回行われていた。DTTは登録時27例に施行されており、単独療法が17例(bosentan 7, ambrisentan 3, sildenafil 3, beraprost 2, tadarafil 1, epoprostenol 1例) 2剤併用が4例、3剤併用が6例であった。登録後経過観察期間の中央値は99日(IQR 33-649日) で、Primary endpointは2例、突然死1例、入院例1例(子宮内出血)であった。登録後に、DTT開始例が1例、追加例が4例で、sildenafilにbosentanを追加した1例でSPO2などパラメータの改善を認めた。【今後の対策】1月現在の登録数が46例で、来年3月までに登録目標の250例を達成するためにはかなりの困難な状況である。今後、施設登録の際に各施設の倫理委員会の承認を必須としない方法に切り替えるため、日本小児循環器学会倫理委員会に申請中である。