[III-P-121] 川崎病急性期心筋梗塞の2例
キーワード:川崎病, 心筋梗塞, 冠動脈瘤
【緒言】
急性期治療・慢性期管理の進歩により川崎病虚血性疾患は減少し、特に急性期においてはそのリスクの認識は乏しい。我々が最近経験した川崎病急性期心筋梗塞の2例を報告する。
【症例1】
6か月女児。発熱、結膜充血、口唇発赤、発疹、四肢浮腫から川崎病を疑われ第2病日に当科紹介、第3、5病日IVIG2g/kg、第7病日IVIG2g/kg+PSL2mg/kg投与、第8病日解熱、症状も概ね消失。第10病日に症状再燃、右冠動脈Seg1 2.7mmと拡大、抗血小板療法開始。第11病日再発熱、第12病日からmPSL30mg/kg×3日間投与後解熱したが、第13病日Seg1 3.9mm、Seg5 3.5mm、Seg11 2.8mmと3枝病変を認めた。第25病日嘔吐、顔色不良あり、V4Rと下壁誘導でQ波、ST上昇を認め、右室・下壁梗塞と診断、抗凝固療法開始。経過中房室ブロックを認めたが軽快、第52病日退院。
【症例2】
10歳男児。入院前日右頚部痛、発熱、第2病日炎症反応高値、当科紹介入院、当初頚部リンパ節炎として治療。第4病日に熱以外の5症状認め川崎病と診断、第4、第6病日IVIG2g/kg、第7病日からmPSL30mg/kg×3日間投与後解熱、症状消退。第6病日Seg5 3.9mmと左冠動脈拡張認め抗血小板療法開始、第8病日Seg1 5.1mmと右冠動脈拡張、第15病日Seg1 7.4mmと瘤形成。第40病日嘔吐、胸痛出現、心電図、心筋逸脱酵素から心筋梗塞と診断、抗凝固療法開始、翌第41病日冠動脈造影でSeg6の血栓性閉塞、側副血行認め血栓溶解療法施行、左冠動脈血流は順行性となり、心電図所見も軽快。以後抗血小板・抗凝固療法継続、第70病日に退院。
【結語】
川崎病冠動脈病変合併例では、急性期においても、腹部症状など非典型的症状に対して虚血性疾患を念頭においた慎重な対応が必須である。
急性期治療・慢性期管理の進歩により川崎病虚血性疾患は減少し、特に急性期においてはそのリスクの認識は乏しい。我々が最近経験した川崎病急性期心筋梗塞の2例を報告する。
【症例1】
6か月女児。発熱、結膜充血、口唇発赤、発疹、四肢浮腫から川崎病を疑われ第2病日に当科紹介、第3、5病日IVIG2g/kg、第7病日IVIG2g/kg+PSL2mg/kg投与、第8病日解熱、症状も概ね消失。第10病日に症状再燃、右冠動脈Seg1 2.7mmと拡大、抗血小板療法開始。第11病日再発熱、第12病日からmPSL30mg/kg×3日間投与後解熱したが、第13病日Seg1 3.9mm、Seg5 3.5mm、Seg11 2.8mmと3枝病変を認めた。第25病日嘔吐、顔色不良あり、V4Rと下壁誘導でQ波、ST上昇を認め、右室・下壁梗塞と診断、抗凝固療法開始。経過中房室ブロックを認めたが軽快、第52病日退院。
【症例2】
10歳男児。入院前日右頚部痛、発熱、第2病日炎症反応高値、当科紹介入院、当初頚部リンパ節炎として治療。第4病日に熱以外の5症状認め川崎病と診断、第4、第6病日IVIG2g/kg、第7病日からmPSL30mg/kg×3日間投与後解熱、症状消退。第6病日Seg5 3.9mmと左冠動脈拡張認め抗血小板療法開始、第8病日Seg1 5.1mmと右冠動脈拡張、第15病日Seg1 7.4mmと瘤形成。第40病日嘔吐、胸痛出現、心電図、心筋逸脱酵素から心筋梗塞と診断、抗凝固療法開始、翌第41病日冠動脈造影でSeg6の血栓性閉塞、側副血行認め血栓溶解療法施行、左冠動脈血流は順行性となり、心電図所見も軽快。以後抗血小板・抗凝固療法継続、第70病日に退院。
【結語】
川崎病冠動脈病変合併例では、急性期においても、腹部症状など非典型的症状に対して虚血性疾患を念頭においた慎重な対応が必須である。