第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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ポスター

1-19 学校保健・疫学・心血管危険因子

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小児の心原性心停止

Sat. Jul 18, 2015 10:50 AM - 11:14 AM ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:岡本 吉生 (香川県立中央病院)

III-P-122~III-P-125

[III-P-122] 当院で経験した小児の病院外心肺停止についての検討

村上 知隆, 森 善樹, 井上 奈緒, 金子 幸栄, 中嶌 八隅 (聖隷浜松病院 小児循環器科)

Keywords:心肺停止, 病院外, 小児

【背景】心電図健診後の学校管理下におかれている生徒の突然死についてはいくつかの報告があるが、入学前の乳幼児を含めた小児の突然死についての報告は少ない。【目的】当院で経験した乳幼児を含めた小児の病院外心肺停止症例の背景を明らかにすること。【方法】2009年~2014年の当院での0~18歳の病院外心肺停止症例(蘇生症例含む)を 診療録の記録から後方視的に調べた。また心肺停止症例を心疾患あり(A群)となし(B群)の2群に分け、心肺停止時年齢、在胎週数、出生体重、蘇生率、心疾患以外の基礎疾患として染色体異常・奇形症候群と中枢神経(CNS)異常の有無ついて比較検討した。値は中央値(範囲)で示した。 【結果】病院外心肺停止症例は36例(A群13例、B群23例)で、94%(34例、6歳以上1例含む)が心電図健診対象外であった。心肺停止時年齢はA群1歳1か月(3か月~13歳10か月)、B群8か月(1か月~13歳1か月)とB群が小さかった(p<0.05)。出生体重はA群2370g(1112~3680g)、B群2850g(1952~3580g)とA群で小さく(p<0.05)、染色体異常・奇形症候群合併はA群55%、B群11%とA群で多かった(p<0.05)。在胎週数、蘇生率、CNS異常は2群間に差はなかった。またA群の心疾患の内訳はTOF・MAPCA4例(PA2例、PA・UF後1例、severe PS1例)、VSD2例、LQTS2例(1例は心電図検診受診者で指摘なし)、心筋症2例、ASD・valvularPS・PAPVC・MAPCA1例、incomplete AVSD1例、心臓腫瘍1例であり、MAPCA合併が38%(5/13)と最も多かった。心肺停止原因として18trisomyが3例、不整脈関連が3例、残りは不明であった。【まとめ】当院での病院外心肺停止症例は心疾患関連症も含め、心電図健診施行前の乳幼児に多かった。これらの心疾患を有する乳幼児の突然死のリスクとしては染色体異常を含めた奇形症候群、低出生体重児出身、MAPCA症例があると考えられた。