第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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1-19 学校保健・疫学・心血管危険因子

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小児の心原性心停止

Sat. Jul 18, 2015 10:50 AM - 11:14 AM ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:岡本 吉生 (香川県立中央病院)

III-P-122~III-P-125

[III-P-123] 学校にて心室細動(Vf)を発症しAEDにより救命された二例

三池 虹, 松尾 倫, 本田 啓, 八浪 浩一, 中村 紳二 (熊本市民病院 小児循環器内科)

Keywords:AED, Vf, 学校

【背景】AEDの公共施設への設置が進み、AEDを用いて除細動がなされた病院外心停止例は年々増加している。意識消失の原因として心原性心停止は見落としてはならず、迅速な対応が求められる。今回、学校にて心室細動(Vf)を発症しAEDにより救命された二例を経験したので報告する。【症例1】13才男児。11才時に意識消失発作を数回発症、脳波異常認めてんかんの診断にて抗てんかん薬による治療が開始されたが、その後も数回意識消失を認めていた。体育の授業中、プールで意識消失しAED解析にて Vfと判明、除細動施行され救急搬送。痙攣はなく、心電図にて多形性心室頻拍を認めた。遺伝子検査にてCPVT1の診断。現在、β遮断薬・フレカイニド内服と運動制限(D禁)にて管理中。【症例2】13才男児。大動脈縮窄複合の診断にて根治術施行。術後、大動脈弁下狭窄が徐々に進行し、計3回の狭窄解除術が行われたが狭窄残存、運動制限(D禁)による内科的管理を継続し手術待機となっていた。体育の授業で歩行をしている際に意識消失、AEDの自動解析によりVfと判明、2回の除細動で洞調律に回復し救急搬送された。心エコーにてPG120mmHgとASの進行を認め、準緊急的に大動脈弁置換術が施行された。【まとめ】症例1において、繰り返す意識消失発作は心原性であった可能性あり、てんかんの既往に関係なく発作時のAED装着が望まれた。症例2では、学校関係者へ患児の基礎心疾患が周知されていたことがAEDの的確な使用、救命につながった。効率性を考えたAED配置と教育訓練により、日頃からの準備を充実させていく必要がある。