第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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ポスター

2-01 外科治療

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心臓腫瘍 遺伝子/染色体異常

Sat. Jul 18, 2015 10:50 AM - 11:20 AM ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:浦島 崇 (東京慈恵会医科大学附属病院)

III-P-130~III-P-134

[III-P-134] 巨大血小板性血小板減少症を合併した心室中隔欠損症の一手術例

福場 遼平1, 早田 義宏1, 丹羽 恒介1, 吉澤 弘行2, 林 環2, 武山 雅博2, 野上 恵嗣2, 吉田 昌弘1, 嶋 緑倫2, 上村 秀樹1, 古家 仁1 (1.奈良県立医科大学 先天性心疾患センター, 2.奈良県立医科大学 小児科)

Keywords:心室中隔欠損, 開心術, 血小板減少症

【症例】巨大血小板性血小板減少症で生後2ヶ月から当院でフォローされていた心室中隔欠損症の7歳男児。軽微な外傷で皮下出血を繰り返し、頭部外傷時には血小板輸血が行われ、開心術は躊躇されていた。最近になり大動脈弁の変形に加え閉鎖不全が出現、小児科血栓止血グループとの共同チームにて手術を計画。術前の血小板数は0.7万/μl。人工心肺による希釈と消費、以前の血小板輸血による血小板上昇等を検討し、術前日の血小板輸血量を30単位と算出した。抗血小板抗体陰性のため、通常の血小板輸血を術前日に実行。術当日朝の血小板数は10万であった。体外循環中の血小板は6万で、体外循環離脱後に10単位の血小板輸血を追加。手術は高度に嵌入変形した大動脈弁を三尖弁越しに確認、変形した大動脈弁尖をPTFEパッチが裏打ちするように弁輪際に糸をかけ、心室中隔欠損を閉鎖した。大動脈遮断時間は49分、体外循環時間は1時間25分、手術時間は3時間27分であった。ICU帰室後に20単位の輸血を追加、術後2日目にドレーンを抜去。術後4日目に心嚢液の貯留を認め、ドレナージ施行。この後、抗血小板抗体陽性が判明。HLA適合血小板の入手に時間がかかるため、通常血小板の輸血下にてドレーン抜去し、事無きを得た。その後の経過は順調、大動脈弁閉鎖不全の改善を認め、術後19日目に軽快退院した。【考察】本症例は生下時から血小板減少を認めたため精査を行ったが確定診断には至らず、巨大血小板性血小板減少症と診断された。出血傾向を認め、開心術はハイリスクと考えられ、我々が調べた限りでは同様の報告は無かった。頻回の血小板輸血を必要とした事から、抗血小板抗体が出現しドレーン管理にやや難渋したが、小児科血栓止血グループとの周術期の綿密な治療計画と実践により良好な結果を得た。【結語】巨大血小板性血小板減少症を合併した心室中隔欠損症の患児の修復術に際し、集学的治療を実践し良好な結果が得られた。