第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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ポスター

2-01 外科治療

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ファロー四徴症

Sat. Jul 18, 2015 11:20 AM - 11:50 AM ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:川﨑 志保理 (順天堂大学)

III-P-135~III-P-139

[III-P-138] 先天性心疾患修復術後30年以上経過した肺高血圧を伴う肺動脈弁逆流に対する肺動脈弁置換術の2例

岡 徳彦, 中村 祐希, 松永 慶廉, 荒記 春奈, 田村 智紀, 宝来 哲也, 北村 律, 鳥井 晋三, 宮地 鑑 (北里大学医学部 心臓血管外科)

Keywords:成人先天性心疾患, 肺動脈弁逆流, 肺動脈弁置換術

右室流出路形成術後肺動脈弁逆流に対する手術介入の時期は、右室容量や右室機能、臨床症状などに基づき決定される。しかし右室機能不全は、その重症度に応じた明らかな臨床症状が出現しないことも多く、適切な手術時期を逸することもある。また右心室拡大に伴う左室拡張機能障害から肺高血圧(PH)に至る例も少なくない。今回我々は先天性心疾患に対する右室流出路形成を含む心内修復術後30年以上経過したPHを伴う重度肺動脈弁逆流(PR)に対する肺動脈弁置換術(PVR)を2例経験したので報告する。【症例1】44歳女性。5歳時にファロー四徴症に対して心内修復術を施行。(詳細術式不明)以後PRを指摘され、外来経過観察されていた。37歳、40歳時にそれぞれ発作性心房細動、非持続性心室頻拍に対して2度のカテーテルアブレーションを施行。43歳時より労作時呼吸息切れが出現し、血液検査上肝機能低下を認めたため心臓カテーテル検査にて、PR、重度三尖弁逆流(TR)、心室中隔欠損遺残短絡、PHを認めたため手術適応となった。2014年11月PVR、三尖弁形成術(TVP)、右心メイズ手術、残存心室中隔欠損孔閉鎖術施行。術後は洞調律となり、肺動脈圧、中心静脈圧、血液検査所見、臨床症状改善し退院となった。【症例2】48歳女性。12歳時に心房中隔欠損症、肺動脈弁狭窄症に対して心房中隔欠損閉鎖術、肺動脈弁交連切開術を施行。以後PRを指摘されていたが外来経過観察されていた。47歳時より労作時息切れが出現。心臓カテーテル検査にて、最大径60mmの肺動脈瘤、PR、TR、PHを認めたため手術適応となった。2014年12月PVR、TVP、肺動脈形成術施行。術後は肺動脈圧、中心静脈圧、臨床症状改善し退院となった。【結語】術後30年以上経過した右心機能不全、PHを伴うPRに対しても、PVRは右心機能、肺動脈圧、臨床症状を改善させる可能性がある。