第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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1-09 集中治療・周術期管理

ポスター
周術期:麻酔管理

Sat. Jul 18, 2015 10:50 AM - 11:14 AM ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:大崎 真樹 (静岡県立こども病院)

III-P-140~III-P-143

[III-P-140] 全身麻酔下心臓カテーテル検査後の覚醒時興奮の傾向

花岡 透子, 大畑 淳 (長野県立こども病院 麻酔科)

Keywords:覚醒時興奮, 全身麻酔, 術後鎮静

【はじめに】小児のセボフルランを用いた麻酔は覚醒時興奮が著しく、心臓カテーテル検査後の場合、シース抜去部位の安静を保つ必要があり、大きな問題となりうる。【目的】覚醒時興奮の頻度は年齢が上がるにつれ低下するため、覚醒抜管可、術後鎮静不要となる年齢を模索する。【対象と方法】2012年1月から2014年12月までに施行した7歳以上の心臓カテーテル検査のうち、気管挿管しセボフルランを用いた全身麻酔を行い、抜管して病棟帰室した187例を対象とした。年齢別に抜管時の経過を、1.覚醒抜管は試みず深麻酔下抜管、2.全覚醒させ抜管、に分け、さらに抜管後の鎮静剤使用の有無により覚醒抜管が成功であったか否か評価した。【結果】小学校低学年(7~9歳:68例)では覚醒抜管を試みた症例が38%にとどまり、その成功率も48%であった。高学年(10~12歳:34例)になると64%で覚醒抜管が試みられ、成功率は86%に上った。中学生(13~15歳:47例)では89%で試みられ86%の成功率、高校生以上(16歳~:38例)では全例で覚醒抜管し、1例を除きそのまま帰室できていた。【考察】セボフルランは調節性がよく、心機能に影響が少ない麻酔薬として心臓カテーテル検査時には好んで使用しているが、覚醒時興奮は煩わしく、一方深麻酔下抜管は喉頭痙攣や息こらえ、舌根沈下等抜管後の気道確保に難渋する場合があり、安全性に疑問が残る。児の性格や不安の程度を熟慮するとともに、覚醒時興奮を来たしにくい麻酔薬として報告されているプロポフォールやフェンタニル、デクスメデトミジンが選択できる心機能か否か、また非挿管自発呼吸下で管理可能な検査内容か、を評価し選択することで覚醒時興奮を回避する可能性が広がると考えられる【結論】心臓カテーテル検査後の覚醒抜管の可否は小学校高学年にその境界があると示唆された。中学生以上は覚醒抜管が可能である。