第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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1-09 集中治療・周術期管理

ポスター
周術期:麻酔管理

Sat. Jul 18, 2015 10:50 AM - 11:14 AM ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:大崎 真樹 (静岡県立こども病院)

III-P-140~III-P-143

[III-P-141] 新生児開心術後の鎮静鎮痛に関する多施設アンケートから

杉村 洋子 (千葉県こども病院 集中治療科)

Keywords:鎮痛, 新生児, 開心術

新生児にも痛みのコントロールが必要なのは言うまでもないが、鎮静鎮痛に伴う血行動態の変化や作用時間の長さから担当科に嫌われることがある。【目的】当院の新生児開心術の周術期に使用する鎮静鎮痛剤の使用量・方法を再検討をする目的で、他施設にアンケートを依頼した。【対象・方法】小児集中治療室協議会メーリングリスト(29施設参加)を利用し、新生児開心術後と同開心術術後開胸中における鎮静鎮痛剤の種類および量、筋弛緩剤の使用の有無等、新生児への鎮痛に関するコンセンサスの有無について尋ねた。【結果】回答をいただいたのが自施設を含め13施設。開心術後の鎮静鎮痛はミダゾラム(Mdz)+フェンタニル(Fenta)が9施設(69%)、Mdzのみが2施設(15.4%)、塩酸モルヒネが1施設(7.7%)、Fentaのみが1施設(7.7%)であった。Mdzは0.1mg/kg/hを初期量とする施設が多く、Fentaは0.8-4μg/kg/hで、筋弛緩剤をルーチンで使用しているのは3施設(23.1%)だった。また、開胸中についてはMdz+Fentaが11例(84.6%)、塩酸モルヒネが1施設(7.7%)、Fentaのみが1施設(7.7%)で、Fentaの容量は非開胸時と変わらないと回答した施設が9施設だった。筋弛緩剤は8施設(61.5%)が使用。新生児の痛みに対するコンセンサスが得られていると回答したのは10施設(76.9%)だった。【考察・結論】これまで当院では担当科の意向で、新生児の鎮静は開胸管理以外は鎮痛剤を投与せずに、鎮静剤少量のみで早期覚醒を促してきた。逆に開胸管理中のFentaの量は4μg/kg/hと多い傾向にあった。漸減に時間がかかり経腸栄養が進まないことが多かった。新生児の痛みのコンセンサスを得るべく担当科に働きかけるとともに、アンケート結果を踏まえ、新たな鎮静鎮痛方法を検討中である。