[III-P-143] 先天性心疾患周術期におけるNasal high flowの使用経験
Keywords:Nasal-high flow, 術後抜管, 再挿管
【初めに】当院では年間約300例の先天性心疾患手術を行っており、術後可能な限り早期の人工呼吸離脱、抜管を目指している。再挿管による循環動態の変化や人工呼吸器関連肺障害を避けるため、抜管後早期にNPPVを装着している。2014年からNasal high flow(NHF)を導入したため、以前のN-CPAP症例と再挿管回避率や使用状況を検討する。【対象、方法】2014年1年間で、当院で行われた先天性心疾患手術226症例のうち、抜管後NHFを使用した71症例(日齢0～8ヶ月)。【結果】術式は、二心室修復術33例、姑息術38例(右心バイパス循環22例)。再挿管は9例で、心不全の増悪3例、無気肺 2例、反回神経麻痺4例。【考察】Nasal-CPAPを用いていた2013年の再挿管率1.1％と比較し、2014年は4.4%と悪化している。NHFは、呼吸仕事量の軽減効果はN-CPAPと同等であるが、気道開通性、後負荷軽減効果がN-CPAPよりも低い可能性があり、再挿管率に差が生じたと考えられる。しかし、回路内結露が少なく、褥瘡リスク軽減から周術期の抜管後呼吸不全のサポートとしてNHFは有用であると考える。【結語】NHFは、先天性心疾患周術期の抜管後呼吸不全の予防に有用である。