第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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ポスター

2-02 体外循環・心筋保護

ポスター
体外循環②

Sat. Jul 18, 2015 11:20 AM - 11:38 AM ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:打田 俊司 (愛媛大学大学院)

III-P-154~III-P-156

[III-P-155] 重症先天性心疾患におけるECMO管理に関する課題描出の試み

松井 彦郎1, 大崎 真樹2, 梅津 健太郎3, 瀧聞 浄宏4, 安河内 聰4, 小野 安生5, 坂本 喜三郎6 (1.長野県立こども病院 小児集中治療科, 2.静岡県立こども病院 循環器集中治療科, 3.長野県立こども病院 心臓血管外科, 4.長野県立こども病院 循環器小児科, 5.静岡県立こども病院 循環器科, 6.静岡県立こども病院 心臓血管外科)

Keywords:ECMO, Severe, Critical Care

背景: Extra-Corporeal Membrane Oxygenation(ECMO)管理を必要とする症例は重篤であるが、症例数に限りがあることから、対象判断・管理方法・予後評価の課題を描出することは困難である。目的:ECMO管理における対象・予後・成績を他施設と比較検討し、重症先天性心疾患のECMO管理における課題を描出する。方法:2011年4月から2014年10月までに当院(施設A)でECMO管理を行った循環器系疾患症例18例で施行したECMO20例。対象を「ICUにおける蘇生7例」「ICU以外での蘇生5例」「手術室からのECMO装着4例」「Electiveに装着したECMO4例」の4群にわけ、他施設(施設B)のECMO79例(2007年3月から2014年10月)と後方視的に比較検討した。結果:退院率は施設A28%, B62%であった。CPR時間、ECMO導入までの時間に差は認めなかったが、ECMO継続時間に優位な差を認めた(A 4.0日 vs B 6.7日, p<0.05)。生存率において「ICUでの蘇生例」ではA 0%, B 74%、「手術室からのECMO装着例」ではA 0%, B 50%と施設Aで低かった。「ICU以外での蘇生例」及び「Electiveに装着した例」では明らかな差を認めなかった。考察:生存率の差の原因として、蘇生の質の向上・ECMO継続時間の再考・蘇生回避の観察努力・手術治療の向上が課題として考えられた。結語:症例数の少ない管理方法の検討において、他施設と比較するは具体的な課題描出の手掛りとなると考えられた。