第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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ポスター

2-02 体外循環・心筋保護

ポスター
体外循環②

Sat. Jul 18, 2015 11:20 AM - 11:38 AM ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:打田 俊司 (愛媛大学大学院)

III-P-154~III-P-156

[III-P-156] ECMOを使用し,救命し得た新生児,乳児3症例の検討

小嶋 愛1, 岡村 達1, 鹿田 文昭1, 浪口 謙治1, 山内 俊史2, 森谷 友造2, 千坂 俊行2, 太田 雅明2, 高田 秀実2, 檜垣 高史2, 泉谷 裕則1 (1.愛媛大学医学部附属病院 心臓血管外科, 2.愛媛大学医学部附属病院 小児科)

Keywords:ECMO, 低酸素血症, 急性循環不全

【目的,方法】新生児及び乳児においても成人と同様に高度循環不全,低酸素血症に陥った場合,適切にECMOを導入すること(送脱血管の挿入部位を含めたアプローチ方法などの工夫)で救命可能であると考えられる.今回我々は新生児を含めた乳児期早期(新生児:1例、乳児:2例)にECMOを導入し良好な結果を得ることができたので文献的考察を含め報告する.【症例1】生後2ヶ月,BW5kg,女児.嘔吐,顔色不良にて他院受診.努力様呼吸を認め,検査の結果心筋炎を疑われ当院紹介緊急入院.心エコーにて,EF10%未満の著名な僧帽弁閉鎖不全,左心不全による急性循環不全を伴った劇症型心筋炎と診断.入院後2時間で正中切開下に上行大動脈送血,右房及び左房脱血にてECMOを確立.術後7日目に左房脱血を除去し.9日目にECMOより離脱.入院後37日目に人工呼吸器離脱.【症例2】在胎40週,3500gで出生.出生直後から高度チアノーゼが続きSpO250%台.人工呼吸,NO投与後も,SpO2 30-40%と悪化.心エコー検査にて総肺静脈還流異常症を疑われ当院に緊急搬送.総肺静脈還流異常症と診断し,posterior approach法にて総肺静脈還流異常症修復術施行.人工心肺からの離脱を試みるが酸素化改善せず,低酸素血症は持続したためECMO装着. ICU入室後,呼吸循環管理行い改善,術後4日目にECMOから離脱.術後9日目に閉胸.【症例3 】在胎40週5日,3220gで出生.左心低形成症候群の診断で日齢3日に両側肺動脈絞扼術を施行し,生後1ヶ月BW3300gでNorwood手術施行.低酸素血症のため,体外循環からの離脱が困難であり,腕頭動脈グラフト送血,右房脱血にてECMOに変更.術後4日に離脱.循環は安定していたが、吸引を契機に循環不全にて再度ECMO導入.再導入から4日後に離脱.Norwood手術から1か月後閉胸した。【結語】新生児,乳児に生じた心臓手術術後も含めた急性循環不全、低酸素血症に対し,適切にECMOを導入することで,救命することができた.