[III-S15-06] 学校教育における救急蘇生シミュレーション普及への取り組み
キーワード:AED, 蘇生教育, シミュレーション
学校における突然死は、年間2~30件と少なくその多くは心臓性である。心臓検診で早期発見、予防に努めることが重要であるが、心筋症など後天的に発症、進行する疾患もあり、心停止が起こってしまった時の対応も重要である。学校教員に対してのCPR講習は行われているが、学習要綱に組み込まれているにもかかわらず、小中学生に対する蘇生教育は十分とは言い難い。また、AED普及率が90%を超えているが、使用方法がわからない児童がほとんどである。当院では、2013年から小中学校に出向して、蘇生人形、AEDトレーナーを用いた救急蘇生シミュレーションに取り組んでいる。胸骨圧迫に関しては、力が足りず小学生では不十分な場合もあるが、中学生以上では質の良い胸骨圧迫を十分に行うことができ、AEDに関しては、小学生においても十分に理解し適切に行うことができる。また、教員と一緒にシミュレーションを行うことで、教員が蘇生教育を行う手助けになると考えており、今後はDVDを作成し学校に配布することで蘇生教育の普及につながればと考えている。学校における救急蘇生シミュレーションを全国的に普及させることで、児童の突然死を減らすことができると強く考えている。