[III-S16-07] 小児循環器医療を目指す女子医学生・若手女性医師になにができるか?
Keywords:女性小児循環器医, 女性医師支援, コミュニケーション
【はじめに】小児循環器領域は小児科学全体の中でも専門性が高く、かつ重症例・緊急症例を扱い、専門知識・技術・迅速な判断力が求められる分野である。このような領域に興味をもつ女性医学生・女性医師は少なからずいるものの、長期にわたり継続して携わる女性医師はいまだ少ない。そこで、育児中の女性小児循環器医の観点からこれまでの取り組みを紹介し、本問題を考察したい。【小児循環器分野における女性医師数】2014年度末での学会会員数で比較すると、小児循環器医は小児科医の約13%、小児循環器専門医に占める女性医師の割合は約13%である。つまり継続して小児循環器医療に携わる女性医師は小児科医全体の約1.7%と推定され、女性小児循環器医は「希少」であることがわかる。【小児循環器領域に女性医師が携わるメリット】1.「希少」であること。2.先天性心疾患児を持つ母のサポート:心疾患を持つ児の育児についての相談に出産育児経験を踏まえて対応できる。【問題点】1. 育児・家事と小児循環器医療の継続・両立。2. 学会総会への参加・発表:学会会場での保育の問題。3. 相談相手に足る女性小児循環器医にほぼ会えない。【循環器グループ内外での工夫・取り組み】1. 妊娠・出産経験が役立つ胎児診断分野を自身の得意分野とする。2. 医学部3年生に対する男女共同参画の授業での講義:女性小児循環器医としてのキャリア形成について紹介し学生とディスカッション。3. 小児医療・小児循環器医療に役立つ知識と技術の取得:PALSインストラクター、シミュレーション教育。【提言】小児循環器領域では女性医師が少ないが、興味を持つ女子医学生や女性若手医師は少なからずいる。学会ワークショップなど若手循環器医師が集まるプログラム等に合わせた交流や、学会HP等を用いたコミュニケーション支援があれば、それらの医学生・若手医師が小児循環器領域を目指すサポートが可能ではないかと考える。