第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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シンポジウム

シンポジウム17
PA/IVSの治療戦略 これからの小児科・外科のコラボレーション

Sat. Jul 18, 2015 8:30 AM - 10:00 AM 第2会場 (1F ペガサス B)

座長:
矢崎 諭 (国立循環器病研究センター)
山岸 正明 (京都府立医科大学小児医療センター)

III-S17-01~III-S17-07

[III-S17-01] PAIVSのカテーテル治療-Nykanen Radiofrequency Wireの使用と今後の展望-

瀧聞 浄宏 (長野県立こども病院 循環器小児科)

Keywords:カテーテル治療, PAIVS, RF wire

PAIVSに対するカテーテル治療は、2心室修復を目指す治療戦略において重要な位置を占める。カテーテル治療の成否は膜様閉鎖する肺動脈弁をいかに合併症なく安全に穿通するかに関わる。本邦でも昨年からPAIVSのカテーテル治療に対してNykanen Radiofrequency Wireが認可され、カテーテル治療の占める役割の大きさが増すであろう。欧米やアジアでは、古くからRF perforationが使用され、マレーシア、ボストン、ロンドンにおける成績が示すように89-90%と高い成功率を示してきた。確かにwire perforationが中心のメルボルンの報告では、成功率は76%とやはり若干低い。本邦での2001年から10年の報告でも73%(安河内ら2010JPIC)であった。その成功率の高さは、これまでのwire perforationに比較して穿通率が高いことにある。RF ablationに比べ局所穿孔用に有利に作られ、1.3Fであるが高電圧(150-180V)で確実に穿孔するようになっている。実際の施行では、型どおり右室流出路に1.5-2.0 JRをwedgeさせた後、肺動脈弁に確実に接しさせ、akatsukiなどのmicro catherterの中にRF wireを通し、pulse刺激で穿通する。穿通確認には心エコーで主肺動脈にmicrobableが出ることを描出するとよい。その後、micro catherterrをRF wireに載せて主肺動脈に進め、冠動脈用guide wireに交換する。この方法は類洞交通や太い動脈管の存在下で冠循環に不利な状態での侵襲度の高い治療を短時間にできる点ではさらにアドバンテージがある。一方、心タンポナーデなどの合併症の発生率も20%と前後と高く、無視できない。よって、これまで以上の情報と知識の共有は欠かせないが、多くの施設で経験と慎重な施行を積み重ねることで、RF perforationが日本のPAIVSカテーテル治療の進歩の一助になると考えられる。