[III-S18-01] 小児心筋炎と成人心筋炎
Keywords:心筋炎, 成人移行医療, 生検
心筋炎は新生児、小児期から成人期まで幅広い年齢層に発症する。いずれの年代の患者にも、診断には共通したモダリティ、バイオマーカーが用いられるが、確定診断は心筋生検による組織である。そのため、より多くの知見が蓄積された成人症例の生検組織所見に基づいて疾患概念、診断、治療指針が策定されている。また、最近、補助循環デバイスの進歩によって劇症型心筋炎の急性期救命率が上昇するに伴い,炎症が遷延化する成人例の報告が散見されるようになっている。しかしながら、小児と成人で、免疫応答、心筋の組織性状や傷害に対する炎症反応、修復・再生能が異なることは明らかであり、心筋炎の病態でも、治療反応性、治癒の状態、遷延化等の経過が異なることが予想される。したがって、成人と対比しつつ小児の特性を明らかにし、それに応じた病態診断、治療法を開発することが必要であろう。一方、成人期の拡張型心筋症には、小児期の心筋炎後あるいは慢性心筋炎から移行する例が少なからず含まれるとされ,いわゆる炎症性心筋症(iDCM)という診断名をつけられることもあるが、詳細な経過が把握されている症例はほとんどない。本シンポジウムは、心筋炎を小児期、成人期で分断することなく連続した疾患として統括的に捉えるプラットフォームをつくることを目的とし、循環器疾患研究の新たな展開の糸口となることが期待される。