[III-TRO-21] 『心臓カテーテル検査・治療を受ける子どもの看護ガイドライン』を用いた研修の効果と小児循環器看護の課題-アンケート結果から
Keywords:小児循環器, 心臓カテーテル検査, 看護
【背景・目的】小児循環器の看護は知識や技術は高度・専門化しているにも拘らず、看護の臨床判断や技術の体系化は進んでいない。そこで我々は、看護ガイドラインを作成しそれを用いた研修を行い、その効果及び調査結果から小児循環器看護の課題を検討したいと考えた。【方法】第24回日本小児看護学会テーマセッションに参加した看護師を対象に、セッションの効果と小児循環器看護に関する困難について自己記入式アンケート調査を行った。【倫理的配慮】調査目的・方法・参加の自由・プライバシーの保護等に関し口頭と文書で説明し承諾を得た。青森県立保健大学倫理審査委員会の承認を得た。【結果】セッション参加者135名(グループ討議参加者は62名)アンケート回収は43名(31.9%)で、臨床看護師25名、看護教員2名、職業記載なし16名、看護師経験平均14.9年、小児循環器看護の経験平均7.0年だった。セッションでは事例を用いたガイドラインの説明とグループ討議を行い、その内容について40件(93%)が実践に役立つ・役立てたいと答えた。自由記載として、心臓カテーテル検査・治療の看護で困ることは、<安静時間><安静保持の支援>が24件の記載中13件(54.2%)と多く、他に<プリパレーションの実施>と<スタッフ教育>は2件ずつ、その他が6件であった。小児循環器看護に関して困ることは<水分制限や疾患の説明など支援方法><スタッフ教育の方法><治療・症状理解><医師・看護師の連携>であった。【考察】小児循環器の領域で最も多く侵襲的である心臓カテーテル検査・治療の看護と小児循環器看護全般に関して、具体的なケアの方法や疾患理解、スタッフ教育などに困難感があり、ガイドラインの作成及び学会のグループ討議は小児循環器看護に関する情報を得る方法として有効であったと言える。施設により抱える課題は異なるため、個々のニーズに合う教育方法の提案が望まれる。