[III-TRO-24] 超低出生体重児の動脈管結紮術施行における多職種連携の評価と課題―NICU看護師が手術医療チームの一員として果たした役割―
キーワード:超低出生体重児, 動脈管開存症, 多職種連携
【背景・目的】当院では感染対策等の理由から、超低出生体重児(以下ELBW)への動脈管結紮術をNICUのみでなく手術室でも行っていくことになった。それを機に、ELBWにとってより安全な環境作りを目指し、NICU看護師が手術室で児の移動を担うことを含め、従来とは異なる多職種連携体制を構築した。連携を洗練させるために現状の評価を行った。
【方法】看護師(NICU・手術部)及び医師(心臓外科・麻酔科・小児科)計10名(各領域2名)に半構成的インタビューを実施した。逐語録から評価項目ごとに文脈を抽出し、得られたデータを質的に分析した。
【倫理的配慮】施設の承認後、研究協力者に参加の自由意志、プライバシー保護、学会発表等を口頭と書面で説明し、同意を得た。
【結果・考察】看護連携マニュアルは事前準備とフローの理解に役立っていた。シミュレーションや見学の実施はイメージを持つ上で重要であった。当該連携で取り決めた方法のうち、新生児用除圧マットの使用、尿量カウントのためのガーゼ使用、術前申し送りのタイミング、呼吸器の準備方法等に問題はなかったが、Aライン延長ルートの長さは要検討であった。課題として、ライン整理の徹底、マニュアルのチェック表作成、術中の状態管理における医師間での認識共有の必要性も示された。連携の意義については、大規模総合病院のため人員が多く入れ替わりもあり、施設構造の制約がある中では、児の安全のために機能する取り組みと捉えていた。また、各科の医師は、NICU看護師がELBWの移動や閉鎖式保育器の管理に慣れていることに加え、児の日常ケアを担っているからこそ、手術時の搬送に関わることは「児のためになる」と考えていた。手術部看護師も「居てくれるだけで安心」と語り、児の詳細な情報をその場で確認できる利点を挙げた。NICU看護師の積極的な関わりは、手術前後の迅速な対応や、医師と手術部看護師が役割に集中することに繋がったと考える。
【方法】看護師(NICU・手術部)及び医師(心臓外科・麻酔科・小児科)計10名(各領域2名)に半構成的インタビューを実施した。逐語録から評価項目ごとに文脈を抽出し、得られたデータを質的に分析した。
【倫理的配慮】施設の承認後、研究協力者に参加の自由意志、プライバシー保護、学会発表等を口頭と書面で説明し、同意を得た。
【結果・考察】看護連携マニュアルは事前準備とフローの理解に役立っていた。シミュレーションや見学の実施はイメージを持つ上で重要であった。当該連携で取り決めた方法のうち、新生児用除圧マットの使用、尿量カウントのためのガーゼ使用、術前申し送りのタイミング、呼吸器の準備方法等に問題はなかったが、Aライン延長ルートの長さは要検討であった。課題として、ライン整理の徹底、マニュアルのチェック表作成、術中の状態管理における医師間での認識共有の必要性も示された。連携の意義については、大規模総合病院のため人員が多く入れ替わりもあり、施設構造の制約がある中では、児の安全のために機能する取り組みと捉えていた。また、各科の医師は、NICU看護師がELBWの移動や閉鎖式保育器の管理に慣れていることに加え、児の日常ケアを担っているからこそ、手術時の搬送に関わることは「児のためになる」と考えていた。手術部看護師も「居てくれるだけで安心」と語り、児の詳細な情報をその場で確認できる利点を挙げた。NICU看護師の積極的な関わりは、手術前後の迅速な対応や、医師と手術部看護師が役割に集中することに繋がったと考える。